EX回:10 鎮守府の秋祭り〜当日編E〜
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バーボン(もしくはウィスキー)のチェイサーにビールを飲む、という飲み方だった。それがいつしかジョッキの中にショットグラスを沈めるという奇想天外な方法で親しまれるようになった。
『サブマリノ』の方は、元々質の悪いイタズラが発祥ではないか、という説がある。イマホドガラス製のビールジョッキが一般的ではない頃、主流は陶器製のビアマグと呼ばれる物だった。当然、中にショットグラスが入っているか等解らない。そこにテキーラだ。気付かずにガブガブ飲んだ奴は途端に酔いが回り、ノックアウトされてしまう。その姿が、まるで潜水艦に魚雷を喰らったかの様だったし、ビールの海に沈んだショットグラスを潜水艦に見立ててその名が付いた、とする説だ。ボイラーに潜水艦とは、なんとも艦娘にピッタリな飲み方じゃないか。
「ま、コレだけあれば何とかなるだろ。じゃあなビス子、あとは頑張れよ。」
「えぇ、貴方も見回り頑張って。」
そう言ってビス子と別れると、俺は大淀を待たせていたテーブルに向かう。するとそこでは数人の艦娘達が浴衣姿でテーブルに各々の戦利品を広げてワイワイやっていた。
「あ、漸く戻って来たクマ。もう提督の席は無いクマ。」
「そうだにゃ。ここは多摩達が制圧したニャ。」
そう言ったのはクマとタマ……じゃなかった、球磨と多摩。どちらも個性的な口調と高い能力で鎮守府の中でもクセの強い軽巡だ。今日は二人ともいつもの学生服のようなセーラー服ではなく、浴衣姿だ。特に球磨は、あの特徴的なクルクルアホ毛が消滅していた。
「あっそう。なら別にいいよ。…大淀、俺のハンバーガーは?」
「え、ありませんよ?」
「…………………は?」
「だから、このテーブルを制圧された時に球磨ちゃんをはじめ他の皆さんに食べられてしまいました♪」
良く見ると、球磨、多摩、長良、名取、浜風に雷、電。皆頬や口の回りにソースやマヨネーズの付いた跡が。
「そ、そりゃあねぇだろうよぉ〜……」
俺はその場でヘナヘナと座り込み、ガックリと肩を落とした。
「フフフ、テートクぅ。そんな事もあろうかと、私達がspecialなtea timeを準備しておきましたヨー?」
金剛の声に反応してそちらを見ると、テーブルの上にはサンドイッチやスコーン、カップケーキ、クッキー等が所狭しと並んでいる。
「ありがとう金剛ォ!流石嫁艦筆頭、頼りになる?」
思わず金剛に抱き付く俺。金剛の顔はデヘデヘとだらしない笑いが張り付いているらしく、比叡がその涎をハンカチで拭っていた。
早速いただこう。もう腹ペコだ。
「で、何でお二方は俺の両サイドに?」
俺の両サイドには今、金剛と榛名が座っている。二人とも勿論ウサミミ装備。何コレ、近くで見る
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