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提督はBarにいる。
EX回:10 鎮守府の秋祭り〜当日編E〜
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さて、次はどうするかな。

「ねぇ、シェイクして作るカクテルはないの?」

「は?何でだよ。」

「だって、バーテンダーと言ったらシェイカーを振るじゃない?」

 安直過ぎませんかねアナタ。ビールシェイクしてどうすんのよ、ビールの特徴であるあの爽やかな炭酸が抜けちゃうでしょうが。仕方がない、ビール以外の材料をシェイクする奴を作りますか。

「んじゃあ……まずはライチリキュールを18ml、グレープフルーツジュースを36ml。香りと色付けにメロンリキュールを6ml……と。ビス子、これをシェイクしてくれ。」

「ええ、解ったわ。」

 ぎこちない手つきだなぁ。まぁ、ぶっちゃけた話混ざればどうにかなるからな。混ざった所でピルスナーグラスを用意し、シェイカーの中身を注ぐ。これだけで『チャイナ・グリーン』というカクテルなのだが、今回は俺のオリジナルアレンジ。そこにビールを適量注ぐ。更にミントシロップで爽快感をプラス。

「さぁ、『チャイナ・グリーン・ビア』だ。飲んでみな。」

「トルコ石みたいで綺麗な色ね。……うん、見た目通りにフルーツの色々な味とミントの爽やかさがスッキリするわ。でも、ビールをあまり感じないから私としては少し不満かしら。」



 そう言われては、次はビールをガツンと楽しめる、一風変わったカクテルを2杯、続けてご紹介。

「ビス子、大きめのジョッキにビールを2杯くれ。……あ、8割位の量で良いぞ。」

 ビス子と呼ばれるのに抵抗が無くなって来たのか、俺の指示に怪訝な表情を浮かべながらも、ビールを注ぐビス子。その間に俺はショットグラスを2つ準備。そこにそれぞれバーボンとテキーラを注ぐ。バーボンもテキーラも、かなり有名な酒だから説明は要らないだろう。ただ、バーボンと聞いてルパン三世一味のガンマン・次元大介を思い出すのは俺だけだろうか?

「提督、注ぎ終わったわ。」

「よしよし、よ〜く見てろよ〜……。」

 俺はジョッキの中にショットグラスを静かに落とす。グラスがジョッキの中で倒れなければ完成だ。

「さぁ、『ボイラーメーカー』と『サブマリノ』だ。ビールだけじゃあ物足りない、って客に出してやるといいさ。」

 ジョッキを傾けながら飲み進めて行くと、徐々にビールとショットグラスの中身が混ざっていき、時間と共に味の変化を楽しめる、ってワケだ。

「美味しいけど……、コレすぐに酔いが回りそう。」

 『ボイラーメーカー』を嘗めながら、若干顔をしかめるビス子。そりゃそうだ、そういう目的で生まれた飲み方、もしくはカクテルだからな。



 『ボイラーメーカー』が生まれたのは、アメリカらしい。なんでも、火力発電所に勤めるボイラー技師達が、少ない金で短時間に酔えるように編み出したのが、
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