暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
EX回:8 鎮守府の秋祭り〜当日編C〜
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 任された、と注文を受けた武蔵がまず取り出したのは、横に平べったく、そして馬鹿みたいにデカいバンズ。下手すると洗面器位の直径があるかも知れん。

「どうだ?デカいだろう。直径35cmあるぞ、どうだ?怖じ気付いたか。ん?」

 どうやら武蔵の思い通りのリアクションだったらしい。くそう、何か腹立つ。そのバンズを横に半分に割ると、その断面を下にしてを鉄板の上に乗せた。更に、これまた巨大なパティが2枚。しかし、ステーキの様に分厚い訳ではなく、薄くバンズの直径に合わせたサイズだ(それにしたって凄いグラム数だろうが)。

「そのパティは100%ビーフか?」

「あぁそうさ。その方が肉の旨味がガツンと来る。……所で提督よ、貴様佐世保バーガーの定義を知っているか?」

 ジュウジュウと良い音を立てて焼けていくパティの焼け具合をチェックしながら、武蔵が少し鼻高々に聞いてきた。

「あぁ、確か……」



 一時期流行って全国で食べられていた佐世保バーガー、あれは実は本当の意味では佐世保バーガーではない。佐世保バーガー『風の』ハンバーガーだったのだ。

 そもそも、佐世保バーガーの定義は、

・店毎に独自性、主体性があること。

・作り置きをせず、注文を受けてから作る事。

・必ず手作りである事。

・地元(つまり佐世保市)の食材を使っている事。

・そして何より、その味や安全性に信頼が置ける事。

 以上の事柄を基準に審査して、それに合格した物だけが佐世保バーガーを名乗る為の看板を掲げる事が許される。また、佐世保市内に店舗が無くとも、認定された者であれば、『佐世保バーガーの美味しさを市外の人々に広める為』という事で、「佐世保バーガー観光大使」に任命され、例え佐世保市外であっても認定の証の看板を掲げる事が出来る。

「……だったか?」

 周りからおぉ〜……と感嘆の声と疎らな拍手が起こる。一方武蔵は悔しそうにギリギリと歯軋りをしている。

「おい貴様ァ!何故そんなに詳しいのだ?」

「え、だって俺もそこの店、常連だし。」

 途端に武蔵がずっこけそうになっている。調理中に危ない奴だなぁ。そこのオヤジさんはお喋り好きで、色々と蘊蓄を教えてくれるモンだから、自然と覚えてしまったのだ。因にだが、そのオヤジさんの店にも、認定の証の看板は掲げられている。つまりは、本場の佐世保バーガーの味が堪能出来るってワケだ。

「フン、まぁいいさ。私の作るハンバーガーの再現度の高さに恐れおののくがいい?」

 おいおい、どこの魔王の台詞ですかそれは。まぁ、確かに手際はかなり良い。パティを返した武蔵は、ハンバーガーに挟む前に焼かなければ行けない具材を更に準備していく。パティの次はベーコン。スーパーに売っているようなス
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