暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
聖夜に祝福を
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これは、いつかの日の話。
これは、いつか来る日の話。



「……嘘でしょ…」

マグノリアの図書館。最近建物が新しくなったその場所の、奥の方の本棚の前。
古くはないが特別新しくもない本に目線を落としていたティアが、ぽつりと呟いた。見間違いかと思ってもう一度見るが、書いてある内容は変わらない。

「…やっちゃった……!」

らしくない弱り切った声が、場所に考慮してか小さく響いた。






「うわあ…!」
「立派なツリーですね!飾り付け楽しそうです!」
「まあ飾っても当日までに何度も飾り直すんだけどね、皆が騒ぐうちに結構な数落ちちゃうから」

ギルドの倉庫から数人がかりで運び出されたそれに、ウェンディとココロが感嘆の声を上げた。初めて見るそれにルーシィも自然と目が輝き、いつものように隣にいるルーが「もうこの時期かー」と笑う。
どすん、と重量のありそうな音を立てておかれたそれ―――やたらと大きいクリスマスツリーは、ギルドの端の方に置かれているにも拘らずかなりの場所を占めていた。朝からいくつかのテーブルが撤去されているのを見て不思議に思っていたが、こういう事だったのかと納得する。
年中お祭り騒ぎでイベント事には飛びつく妖精の尻尾(フェアリーテイル)だ、クリスマスだって派手に騒ぐ事になるだろう。ツリーのサイズと、あれこれと出される飾りの数がその根拠だ。

「クリスマス…ジュビア、グレイ様と二人っきりで……!」
「あー、それ多分無理だ。クリスマスはイヴも当日もぶっ通しで宴だろうからな、毎年そうだし」
「ジュガーン!それ本当ですかアルカさん!」
「付き合ってからクリスマス当日デートとかした事ありませんけど何か?つか揺らすな酔う、ナツじゃねえけど酔う」

赤く染めた頬を両手で押さえながら妄想に浸るジュビアを、アルカの一言が現実に引き戻す。胸倉を掴んでがくがくと揺らされるアルカの顔色が少々悪くなりかけたところで、正気に戻ったジュビアが恐縮しながら手を放した。
因みにアルカの場合、デートしようと思えば出来なくはない。ギルドの全員が良しとしてくれるのは目に見えているし、もし反対意見があったとしてもティアが叩き潰すだろう。それでもデートしないのは、お互いにギルドが大事でギルドでも会えるのと、そういう特別感のある日にデートに誘う度胸がアルカにないだけだ。ヘタレめ、と毎年ティアは言う。今年も言われるだろう。

「ギルドで宴ですか?何かいつも通りな気も…」
「まあそうだな。あちこちでプレゼント交換があるのと、多少飯が豪華なくらいで」
「ご飯が豪華なんですか!」
「あ、ああ。所謂クリスマスの料理というか、ターキーだの何だのと……すまない、料理には詳しくないからあまり名前は解らないんだが…」
「いえ全然
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