暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
聖夜に祝福を
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踏み抜いたとも思えない。姉の方が踏んだとしても、あの弟だ。「姉さんなら問題ない、許す以外の選択肢は存在しない!」と四人の脳内で断言する光景まで浮かべられる。何故ドヤ顔なのかは謎だ。
となると、と考えて、至る。ティアは物事に深くこだわらないが、一度考えると時々悪い方向にばかり思考が行きがちなところがある、と。更にそれが大切な兄弟や相棒の事となると、歯止めが効かなくなる時もあるのだ、と。

「別に、大した事じゃないのよ」

考え込んでいた彼等に、沈んだ声のままティアは言う。

「……ただ、私が駄目なお姉ちゃんだってだけ」









「駄目な姉?…姉さんが?え、少し待ってくれ。言葉の意味が理解出来ない。姉さんのどこを見てダメと言えるのかが解らないというかダメと姉さんを繋げて言葉になるとか有り得ないというか、姉さんがダメなんてそんな訳ないだろう!?姉さんがダメならそれ以外は塵以下だぞ俺の主観では!可愛らしく美しく、スーパークールでハイパーキュート、完璧なルックスに冷静ながら天然な性格、流れる青髪煌めく瞳、白雪の肌!魔導士としてだって超優秀万能有能天才的努力の人!そんな姉さんのどこがダメだ!?俺にとっては最高の、最強の、最上の、頂点中の頂点だぞ!?パーフェクトとは姉さんの為の言葉だろうと十四歳まで信じて疑わず、今はそうではないと知ってはいるが姉さんと並び立てる存在などいる訳がないと信じる俺の、誰より好きで大好きで愛している双子の姉だぞ!?どこを取っても、何をどう見ても素敵で無敵な姉さんがダメだなんて、それを言ったのが姉さん本人であっても俺は否定する!あんなにも優しくあんなにも兄弟想いな姉さんのどこがダメだと言うんだ答えろライアー!それと姉さんが自分の事お姉ちゃんって言うのが最高に可愛いから俺の前でも言ってほしい!聞きたい!」
「え、いや、俺関係ないんですけど…?」
「今この場にいる奴で俺に次いで姉さんを見ているのはお前だろう!」
「!?そ、そんな訳なっ…ヴィーテルシアでしょう普通!」
「待って何で兄って選択肢ねえの!?なあオレだってティアの事ちゃんと見てる!お兄ちゃんいつだって見守ってるよティアー!」

大混乱にしてカオスだった。
これをカオスと呼ばずして何をカオスとするのかと言わんばかりのシスコンだった。
帰って来るなり雷神衆がクロスに先ほどの話をしたらこれだ。未知な何かに遭遇したとでも言わんばかりに困惑した顔のクロスのシスコン魂が爆発し、ライアーが巻き込まれ、喋りはしないもののヴィーテルシアが誇らしげに口角を上げて、机を叩き座っていた椅子を派手にひっくり返しながらクロノが叫ぶ。ばぎゃごん、とでも言えばいいのか、何とも言い表しにくい音を立てて椅子が倒れ、驚いて跳ねたラグナが反射的に右腕を伸ばし、重力操作を使用
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