『透明なCO2に色がつき』
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ていた生き物たちだから、それを使ったからとて知れている。もしかしたらそれが燃えることは地球の中での循環で、必要なことかもしれない。悪いことではない。少なくとも放射能汚染物質を出すことよりも。環境にやさしい。化石燃料を使うレシプロエンジン車を温暖化の悪役として槍玉に挙げ、CO2を出さないからと燃料電池車を普及させようとすることも同じ。苦い思いをすることになるだろう。
これはすなわちぼくがこの人間社会を憂えているがゆえに抱いている悲しみゆえに顕現する説教でもあるのだが。
ぼくは言う、
「それでどうして自民党には入れない。何が理由?」
「え、悪いことばっかやってるから」
どうやら原発の再稼動や秘密保護法とか、いろいろあるにはしても、全体的雰囲気的に許せないという、若者独特の直感――社会ずれした大人とは一線を画する感性なのだろう。そこには独裁政治みたいな自民党のやり方も原因としてあるのだろう。
そこで、
「あれは一党独裁と同じ」とぼくは言った。「日本は民主主義なんだから、選挙ではひとつの党が大勝ちしそうな時は、あえてそのほかの党へ入れる勇気が必要だ、国会で民主主義の原理を保つためには」
などとまあこれはぼくが常々感じていることなんだけれど、
「国民の知的レベルの向上が必要なのは前提としてあるのだけれど」と生徒たちに付け加えて述べておいた。
「さてところで燃料電池車はなぜだめなのか?――それは必要ないからだ」
それはH2Oを出してCO2を出さないからだめなのだ(注3)。植物の餌というか食べ物CO2が出ないから。それ以外の熱とか水とかはいっぱい出すのに。そして燃料の水素H2は化石燃料から作るから必要ないのだ。それに燃料電池車は一からの普及だから莫大な税金を使う。インフラ整備や補助金など。税金は広く浅く多くの低所得者から集める。だからいま安価な車があるのに、あえて高価な燃料電池車を普及させる必要はない。多くの善良な欲の少ない低所得者には不幸である。
そもそもCO2なんて恐竜時代には地球の大気にもっとたくさんあった。もともと地球の大気中のCO2はN2(窒素)より多く、大気中でもっとも多い成分だった。それが今や0.03〜0.04%程度まで減ってしまっている(注4)。
「いま人間社会は」とぼくは言う、「CO2が増えた増えたと騒ぎ立てるけれど、0.1%もない。歴史を振り返ればいまはほとんど『ゼロパーセント』――ほとんどないではないか?――人間社会はいまこれをさらに減らそうとやっきになってキャンペーンを張って税金を投入している」
ぼくは生徒にたずねる、
「どう思う?」
生徒は言う。
「おかしいです」
「君はどう思う?」
別の生徒は言う、
「よくわからないです」
「よくわからない、そのとおり。この世にはよくわからないことが多
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