第三十七話 三年生なのでその十六
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「そうなの」
「放課後はおぢばを歩いて回ったり詰所にいたり神殿で回廊ひのきしんさせてもらったりですけれど」
「部活も入ってるのよね」
「はい、文化系で」
「運動部じゃないのね」
「何かあまり好きじゃないんで」
どうにもという返事でした」
「体育会系の部活は」
「雰囲気が?」
「はい、僕の偏見でしょうけれど」
この前置きから私にお話しました、一緒に図書館への入口に入りながら。図書館は二階全部でまずは階段を登ります。
暗い階段を上がりつつです、私は一緒に一段一段進む阿波野君のお話を聞きました。
「暴力とか理不尽とか野蛮とか不潔とか」
「マイナスイメージばかりじゃない」
「あと時代遅れ、先輩や先生が暴力振るうとか」
「そうしたお話は確かにあるけれどね」
「考え過ぎですかね」
「というかそうした部活ばかりじゃないでしょ」
「うちの中学の剣道部が酷かったんですよ」
ここでまたその部活のお話をするのでした。
「顧問の先生が」
「その先生を見てなのね」
「はい、運動部は」
どうにもというのです。
「好きじゃないっていいますか」
「嫌いなのね」
「はっきり言ってそうですね」
「だから文化系なの」
「教師にちょっとしたことで何十発も殴られたり床で背負投とか受けたくないですから」
「後の死ぬわよ」
かなり引いて突っ込みを入れました。
「それって」
「これ実際にあったことですよ」
「というかそれ先生のすること?」
「何か部活にあまり出てなかった生徒に部活中したそうですね」
「いや、それ言葉で注意すればいいじゃない」
床で背負投げなんか問題外です。
「本当に死ぬわよ」
「それでその先生今も現役でその中学にいます」
阿波野君が通っていた中学にです。
「普通に」
「奈良県って色々大丈夫?」
「どうでしょうかね」
阿波野君にしては珍しく曖昧な返事でした。
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