第五章
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「だからよ、いいわね」
「そんな・・・・・・」
「そんなじゃなくてちゃんとするの」
「そうよ、咲ちゃんの言う通りよ」
銀一の母も来て言う、おばさんパーマの恰幅のいい顔で。
「お昼食べたらすぐにお掃除よ」
「お袋もそう言うんだ」
「というかあんた高校卒業してからお部屋のお掃除したことあるの?」
「そう言われたら」
「これを機会にお掃除しなさい」
絶対にという言葉だった。
「わかったわね」
「どうしてもなんだ」
「そうよ、どうしてもよ」
母も一歩も引かない。
「わかったわね」
「やれやれだよ」
「私も手伝うから」
咲は銀一にこうも言った。
「いいわね」
「ううん、じゃあ」
「お掃除しましょう」
こうしてお昼の後で実際に掃除をすることになった、咲はこの日も銀日の家でお昼を呼ばれた。この日の昼食はサラダと昨夜のおかずの鰯の天麩羅の残りだった。
その昼食を食べてだ、咲は銀一を彼の部屋に連れて行ったが。
その部屋を見てだ、咲はこう言った。
「確かに前よりもずっと散らかってるわね」
「そうだよ」
ダンボールや紙でだ、本も相当に増えている。
「この通りね」
「じゃあ今からお掃除しましょう」
「俺が言った場所を掃除してね」
間違っても成人漫画やそうした資料を見られたくないからだ。
「そうしてね、あと捨てるものも俺が言うから」
「それじゃあね」
「うん、掃除機もかけて窓も拭くんだ」
「ついでだからカーテンも替えましょう」
「咲ちゃん本格的だね」
「お母さんがそうしてるから」
だからだというのだ。
「大掃除の時はね」
「叔母さんしっかりしてるんだね」
「じゃあ早速はじめましょう」
「午後は全部潰れるかな」
夕食までとだ、銀一は弱りきった顔で言った、そうしてだった。
二人で掃除をした、咲に見られたくないものはしっかりと注意してそうして二人で掃除した。捨てるものもしっかり言って。
掃除が終わった時はもう夕方だった、時間を見れば五時だった。
本は殆どそのままだったがゴミはなくなり床も窓も隅から隅まで奇麗になった、カーテンもだ。
銀一は汗だくになっていた、当然咲も。そのうえで爽やかな顔で汗をかいている従妹に言った。
「折角飲もうって思ったのに」
「じゃあ晩に飲めばいいじゃない」
「そうするよ、けれど汗かいたからお風呂に入って」
「そうするのね」
「咲ちゃん先に入ったらいいよ」
その汗だくの従妹に言った。
「そうしたら?」
「家で入るから」
だからだとだ、咲は銀一に答えた。
「いいわ」
「そうなんだ」
「ええ、お兄ちゃんが入ったら?」
「そうだね、ただもう夕方でもう少ししたら夜だから」
それでというのだ。
「女の子一人じゃ危ないから
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