第二十一章
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「ツヴィーズル=ズッペの変形ね」
「そうなります」
「それにするわ」
スープはというのだ。
「あとアウフラウフ、それにロイヒャーアールもね」
「その二つもですね」
「お願いするわ」
前者は肉と野菜、パスタとチーズを重ねて焼いたグラタンの様なもの、後者は鰻の燻製である。
「メインはアイスバインよ」
「メインは、ですね」
「ええ、パンとザワークラフトもお願いね」
この二つも忘れない。
「デザートは林檎のケーキ、アプフェルクーヘンを」
「わかりました」
「ワインは二本よ、赤と白を一本ずつよ」
「白を先にですね」
ええ、そうして欲しいわ」
野菜や鰻だからだった。
「そしてアイフラウフとアイスバイン、ケーキはね」
「赤で」
「そうさせてもらうわ」
「わかりました、それでは」
「ワインは白はコルドーチャ、赤はブルネッロにするわ」
酒の注文もした。
「この二つにね」
「どちらもイタリアですね」
「駄目かしら」
「いえ、我が国とイタリアの組み合わせはまんざらではないかと」
「そうね、イタリアについてはね」
「いい国ですから」
ウェイトレスもにこやかに笑って述べた。
「気候もワインも食べものもよく」
「貴女も行ったことがあるのね」
「はい、いい国ですので」
「そうね、今朝は軽く食べてワインも飲んでいないけれど」
「今はですね」
「ええ、頂くわ」
ワイン、この酒もというのだ。
「是非ね」
「それでは」
注文を全て書いてだった、ウェイトレスは店の中に戻った、そのうえでフルコースの順序に従って料理が出されていった。
当然ワインもだ、沙耶香はそのワインと共に料理も楽しんだ、ザワークラフトやパンまでもだ。そしてデザートのアプフェルクーヘンも食べてからだった。
沙耶香はワインの残りを優雅な物腰で飲み終えてだ、そのうえで立ち上がりカウンターで勘定を払ってから言った。
「有り難う、満足させてもらったわ」
「そうですか、それは何よりです」
「心からね、ではまた機会があれば」
「はい、いらして下さい」
「このベルリンに来た時は」
それは何時になるかわからない、だが来たその時はというのだ。
「宜しくね」
「それではまたのご来店を」
店のマスターと笑顔で別れの挨拶を交えさせてだった。沙耶香は店を後にした。そしてそのうえでだった。
沙耶香は通りを歩いていた、ただ歩いているだけだったが。
その中でだ、一つの花を見付けた。後ろで三つ編みにした長い金髪に碧眼の少女日本で言うと高校に入学したばかりだろうか。黒のブレザーと日本のそれより丈の長いグレーのスカート、白のブラウスに赤のネクタイといった制服の少女だった。
その少女を見てだ、沙耶香はすぐにだった。彼女のところに来て声
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