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黒魔術師松本沙耶香 騎士篇
第二十一章
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をかけた。
「これからどうするのかしら」
「貴女は」
「旅の者よ」
 口元を微笑まさせてだ、沙耶香は少女に言った。
「日本からのね」
「アジアのですね」
「そう、あの国から来たの」
 そうだったというのだ。
「私はね」
「そうですか」
「それで貴女にはこれから余裕のある時間は存在するのかしら」
「実は今から夕食までは」
 少女は楚々とした外見だった、顔はまだあどけなさが残り背もドイツのこの年齢の少女にしてみれば小柄な方か。少女は嘘を言うことも出来たが沙耶香のその琥珀を思わせる黒い独特の目に自分の目を見られるとだった。
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