第三幕その十
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「僕としてはね」
「お屋敷に住みたいとは思わないのね」
「貴族の豪邸とか」
「立派なお庭のある」
「あと御殿とか」
「そういうのには興味がないんだね」
「僕と皆、それにトミーだけだよ」
家族はこれだけだからというのです。
「お金があってもね」
「それでもなんだ」
「お金があってもなんだ」
「別にいいんだ」
「そうなんだ」
「そうだよ、そもそもお金もね」
こちらについても答えた先生でした。
「特に沢山いらないし」
「必要なだけだね」
「あればいいんだね」
「じゃあ今の大学教授のお給料で充分」
「そうなんだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「僕は今で充分満足しているよ」
「お家もお金も」
「今で充分で」
「立派な場所にもなんだ」
「今以上の場所には興味がないんだ」
「別にね」
また言った先生でした。
「首里城でも他のお城でもね」
「住むつもりはないんだ」
「そうなんだ」
「このままでいいんだ」
「別に」
「そうだよ、これだけ広いと」
首里城位大きいと、というのです。
「お家の中の行き来だけで大変だからね」
「言われてみればそうかも」
「これだけ広いとね」
「特に階段の行き来がね」
「もう大変だろうね」
「先生の言う通り」
「そう思うからね、今のままでいいよ」
またこう言った先生でした。
「じゃあまた食べに行こうか」
「あの」
先生がこうお話しているとです、その先生にです。
日本の着物に似ていますが袖口がとても広く色合いも黄色や赤で花模様も南国のもので頭には長いかんざしがあり花で飾られた帽子を被っています。
その服を着た女の子達が声をかけてです、記念撮影やお土産をどうかと言ってきました。
「写真どうですか?」
「ちんすこうありますよ」
「サトウキビ美味しいですよ」
「あっ、サトウキビあるんだね」
先生はサトウキビに反応しました。
「じゃあそれを頂こうかな」
「そのまま採ったお砂糖です」
サトウキビからというのです。
「これをどうぞ」
「それじゃあね」
「ああ、お砂糖ね」
「サトウキビから採れたね」
「だからなんだ」
「それも売ってるんだ」
動物の皆もお話を聞いて頷きます、
「沖縄名物だし」
「それで売ってるんだ」
「じゃあ今からね」
「先生買う?」
「そうだね、トミーのお土産にね」
先生は皆に微笑んで答えました。
「買って行こう、サラにもね」
「それと日笠さんにもね」
「忘れないでね」
「ここ重要だよ」
「忘れたら駄目だよ」
「ああ、そうそうそうだね」
言われて気付いた先生かといいますと。
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