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オズのビリーナ
第三幕その十二

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「最初何も知らないでマンチキンに来たら何だって思ってたわね」
「青いお菓子はアメリカじゃ普通だよ」 
 ジョージはお国のことからお話します。
「ケーキとかでね」
「それは合成着色料だから」
 恵梨香はジョージのその言葉に難しいお顔で答えます。
「また別よ」
「赤かったり黄色かったり紫とかね」 
 神宝は他の国のこともお話しました。
「それぞれの色がはっきり出るからね、オズの国は」
「それで何も知らないでこの国に来たら」
 恵梨香達はオズの国のことはボームさんの本でもう知っていたのです、それで最初に来た時も全く驚いていなかったのです。
「どれだけ驚くか」
「食べなかったかな」
 カルロスはその美味しいクッキーを食べつつ言います。
「そうした子もいるかな」
「私はね」
 恵梨香はちょっと、という感じです。
「そうだったかも知れないわ」
「私もそうかもね」
 ナターシャは恵梨香と同じ意見でした。
「ちょっと以上に抵抗があったと思うわ」
「ロシアでもなのね」
「あまり鮮やかな色の食べものはね」
「合成着色料かと思って」
「抵抗があるわ」
 ナターシャとしてはというのです。
「けれど知ってるとね」
「こうして食べられるわね」
「普通にね、美味しいわ」
「どんどん食べて飲んでね」
 その青いココアを飲みつつ笑顔で言う将軍でした。
「それで気持ちよくビリーナのお国に行ってね」
「もう少し歩くわよ」
 そのビリーナの言葉です。
「楽しみにしていてね」
「夜はしっかりと寝てね」 
 エリカは猫らしくこちらにも興味を見せています。
「行くのね」
「私は大丈夫だけれどね」 
 ガラスの猫はそうした身体なのでその心配は無用です。
「けれどビリーナの国は楽しみね」
「楽しみにしておきなさい」
 ビリーナもクッキーやビスケットを食べています、そのうえでの言葉です。
「いい国だから」
「まあそこはわかってるわ」
「私達にしてもね」
 二匹の猫もこう返します。
「前にも行ったし」
「今回も楽しみにしているわよ」
「期待は裏切らないわ」
 胸を張って言うビリーナでした、見ればエリカもビスケットを食べています。食べていないのは何も食べる必要のないガラスの猫だけです。
「私はね」
「その期待応えてもらうわよ」
「応えさせてもらうわ」
 今も胸を張っているビリーナでした、そうしたお話をしながらです。一行は今は将軍のお家で楽しい時間を過ごしました。
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