3. 指輪
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小さなネックレスをつけていて、それが店内の照明を反射してとても綺麗だった。
「あたしもイブニングドレスなんて着るの久しぶりだからさー……」
この女は隼鷹と同じで少しだけ紫がかった髪の色をしているが、それがドレスの色とマッチしてとても綺麗だ。イヤリングとネックレスのせいだろうか。その綺麗でつややかな髪が少しだけ輝いて、揺れる度にその光がこぼれ落ちていた。
「さあ、紳士の時間だ」
店主の声が聞こえた。フラフラとこの隼鷹似の女に歩み寄る俺。スカートの裾から見えるハイヒールも服に合っていてとても綺麗だ。
「? ていとくー? どうしたー?」
「……あ、いや」
「んー? あたし、どっかおかしい?」
そう言い、隼鷹は自分のドレス姿をキョロキョロと確認しはじめた。隼鷹が顔を動かす度に揺れるイヤリング。その輝きが、俺の目を離さなかった。
「あ、す、すまん……そういうんじゃないんだけどな」
「んー? ま、いいか。提督もよく似合ってんじゃんそれ」
「お前も……」
天の川みたいにキレイだなぁ……という言葉が喉まで出かかった。
「……似合ってるな」
「……バッ……ちょっと……やめてよ!」
なんだか……いつもの隼鷹にちょっとだけ戻った気がした。
「あー……ところでご両人」
「はい?」
「ぉお?」
俺達の様子を微笑ましく見ていた店主が、オホンと咳払いをし、俺達の前に立っていた。その両手にはそれぞれ1つずつ、小さな箱が握られていた。ワイン色のあの箱はきっと、指輪のケースだ。
「私が関わったこんな素敵な紳士淑女の二人に、今の格好で外出させるのは忍びない」
「いやいや、あなたのおかげですよ」
「だからこそだ。私が関わった紳士には、常に完璧でいてもらいたい」
「……」
「そして、こんなに素晴らしい紳士には、やはり素晴らしい淑女にそばにいてもらいたいものだ」
「……」
なんだか意味のわからないことを優しい声でぺらぺらと話す店主は、器用に手に持つケースの蓋を開けていた。中から出てきたのは一組の指輪。宝石はついてないけれど、プラチナ色にキラキラと輝くその二つの指輪は、今俺の隣りにいる隼鷹似の女の次ぐらいに美しかった。
「……受け取りなさい」
「ぇえ!?」
「そんな……悪いよ店長さん!!」
「構わない。どうせ安物だ。私が面白半分で趣味で作ったものだから」
「いやでも……」
「君たちはね。この輝きを手に備えて真の紳士であり淑女なんだ。これは私のワガママだけど……どうか聞いてくれないか?」
「……」
「……」
優しい口調でこう語る店主。俺は隼鷹と互いの顔を見合わせた。
「ていとくー……」
隼鷹の美しい口が、少しだけ悪戯っぽく笑う。その笑顔が、俺の
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