2. ホワイトタイ
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から! 行き先は後で言うから!!」
そら運転手からしてみれば行き先を言われずただ『出して!』と言われても戸惑うだろう……なんて隼鷹の迫力に押されてあっけにとられていたら、隼鷹の懐からピリピリという呼び出し音が鳴っていた。
懐からスマホを取り出した隼鷹は、急いでその電話に出る。一瞬だけ名前が見えた。どうやら飛鷹らしい。さっきと同じく二言三言言葉を発した隼鷹は通話を切った後、運転手に対してすさまじい剣幕で怒鳴っていた。
「トノサマ洋装店に行って!! すぐ!!」
「ぁあー、あそこか」
「そうそこ! 早く!!」
「あそこって貸衣装もやってるんだよねー。お客さんがた、今晩パーティーでもあるの?」
「いいから早く行く!!!」
隼鷹にものすごい剣幕で怒鳴られた運転手は、慌てて車のギヤを入れ、それこそ『ばひゅーん』という音が似合いそうな加速で、車を走らせ始めた。目指すはトノサマ洋装店。
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