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提督はBarにいる。
EX回:1 鎮守府の秋祭り〜プロローグ〜
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 俺は執務室にいる。だが、すぐ近くから祭囃子の笛太鼓の音色が響く。執務室の窓からは、艦娘と妖精さんが共同で建てた櫓が目に入る。いつもは殺風景な鎮守府入口から本館までの道のりには、幾つものカラフルな屋台が並ぶ。客は艦娘と一般人、混じりあって楽しんでいるらしい。

「いやぁ、やっつけ仕事でやった割には盛況じゃないか。」

 誰にそう言うでもなく、俺は1人つぶやいていた。



 きっかけは、そう。意外な事に海外の艦娘からの発案だった。

「オクトーバーフェストぉ?ドイツのビール祭りか?」

「う、うん……。ダメかなぁ?提督。」

 特に問題なく艦隊運営の指揮を執っていた昼下がり、それは大淀と共にやって来たZ1……レーベレヒト・マースからの提案だった。どうやら、故郷ドイツの祭をこの鎮守府でやりたかったらしい。

「いや、一応ここ軍事施設だからな?雰囲気は女子高とかそのノリに近い物あるけどよ。」

 やはり兵器とはいえ、女子が数百人同棲してるんだからノリはそうなっても仕方がないのかも知れないが、そこはやはり軍としてある程度の規律ある行動を取らなくてはならない。そもそも、大本営からの認可が降りるとは思えない。だからその今にも泣きそうな顔を止めてくれ。何か俺が悪い事してるみたいじゃねぇか。

「良いのでは無いですか?提督。」

 そう言ったのは大本営とのパイプ役、軽巡・大淀だった。

「大本営は地域住民との関係改善は最重要課題に挙げて居ますから。『地域住民への一般開放』という形で、秋祭りとして開催しては?レーベさんの希望とは多少異なるかも知れませんが、出店ブースの1つとして出せば可能かと。」

 はぁ、解ってんのかねこのドS眼鏡は。そんな大々的なイベントやったら、仕事増えて困るの俺なんですけど?そしてレーベに要らん希望を持たせやがって。

「あー……、解った、解りましたよ。大淀、大本営にイベント開催の是非を問う電報を打て。一応暗号でな。」

「はい、提督。」

 大淀はクスクス笑いながら電報を打ち始めた。チクショウ、完全に俺が根負けするの判ってやがった。性悪ドS眼鏡め。

「取り敢えず大本営の許可が降りたら、だぞ?レーベ。」

「うんっ、ありがとう提督!僕頑張って準備するよ。」

 おい、だから認可が降りたらだっつの。そんな開催が決定したかのように大喜びで走ってくな、勘違いされっから。



 そして夕方、大本営からの変電が来た。なになに……?

『貴官ノ発案、真ニ素晴ラシキ物也。是非トモ盛大ナ秋祭リノ開催ヲ望ム。』

 え、何コレ。ヤダコレ。要するにジャンジャンやっちゃって良いよ、って事か?おいおいマジかよ……。ん?まだもう1枚あるぞ。えーと…?

『秋祭リ開催ニ臨ミ、警備
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