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Fate/Night raid Akame ga kill !!
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?前夜? ココロの起源
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唸りながら夜空を見上げる。
「・・・・・・」
そんな老人の横側を見て少年は無性に聴きたくなった。
「じいさん、夢とかないの?」
「──────」
なぜそんなことを聞いたのか、なぜ今なのか、今になって思い返せばわからない。
ただ、この老人がいつも幸せ顔の浮かべながら、その瞳の奥でどこか寂しいような悲しいような、そんな風に思ってしまっていたからだ。
「夢、か・・・」
あるには“あったよ”とそれ以上は答えなかった。老人は子供達が質問すればなんでも答えてくれた。それが今この質問に対してはなぜか答えてくれない。
渋る老人に無言の圧をかけ続ける少年にとうとう老人は折れ、ぽつぽつと語り始めた。
「私はね、ーーーーーーになりたかったんだ」
聞こえない、何故ここだけが聞き取れないのか。一番大事なことだろう。
「諦めたのか?」
「うん、私にはこの孤児院という小さな箱庭しか守れなかった」
「・・・・・・後悔してる?」
「まさか! 後悔なんかしてないよ、ここはその結果だ。私はこの結果に満足してる」
嘘ではない、そう思った。この老人は本心から満足してる、いや、そうではない、満足しているのではない、満足せざる得ないのだ。
だから、この結果に後悔などないと言えるのだ。
何を目指して、なにを掴み、何を取りこぼし、何に絶望したのか、俺には、今の俺にもわからない。
ただ、この時の俺はどうしようもなく分からず屋で頑固だったから。
「なら、俺がやる」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
本当に聞こえなかったのか、書き直したか老人は珍しく驚いたような顔をした。
目と目が合う。高さの違う目が、片や見下ろし、片や見上げる。
「俺があんたの夢の続きをしてやる」
「────」
「あんたには無理だった。 でも俺にはできる」
根拠もない自信だ。普通なら笑われて終わりだったろう。だが、何をトチ狂ったのか老人は微笑みながら、月を見上げ「そうか」といいーーー。
「ーーーーそれは楽しみだ」
満面の笑顔でそう呟いた。
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