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フロンティアを駆け抜けて
挑戦!バトルピラミッド
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とう、優しい人なのね」
「気にするな。あまり話し過ぎても失格になる。……もう行け」
「わかった。あなたも頑張って。私もね、昨日は最初のバトルに負けちゃったり、とっても強い人に手も足も出なかったりして、自分がとっても弱いし情けなく思えた。だけど怯まなければ、きっと前に進めるよ」
「そうか。じゃあな」

 少年は踵を返した。自分よりもはるか格上の猛者が集うバトルフロンティアで、少年はもう諦めかけていた。だから一番いい道具も渡してしまった。あの少女が自分の心情を見透かしたのかどうかはわからない。だけどジェムの今の言葉で、もう少しだけ挑戦してみようと思った。

「体力と技を使いすぎないように……か。『腹太鼓』は結構ルリが疲れちゃうもんね。『身代わり』くらいなら気軽に使えるんだけど」
「ルリルリィ!」
「ありがとう。でも、私もあなたたちに頼るだけじゃいけないから、ね」

 頑張りをアピールしてくれているのだろう、ぐっと小さな腕で力こぶを作るマリルリ。その腕にはどんなポケモンにも負けないほどの力が秘められている。マリルリの頭を撫でながら、ジェムはトレーナーとして、どうすべきかを考えながら歩き始めるのだった。 

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