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フロンティアを駆け抜けて
挑戦!バトルピラミッド
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小さく入る荷物には限度がありそうだった。受付のお姉さんはジェムに吸盤状のチップを渡す。これを3匹の手持ちにつけることで、使用可能な3体を区別するらしい。そして階段を上がった際に使用ポケモンの交換が出来るとのことだ。
ジェムがポケモンを選び終わると入り口の一つへと案内される。参加者が固まらないように入口もたくさん用意しているようだ。

「それじゃあ、行くよ皆!」

 手持ちボールの中の6体に元気よく声をかける。それぞれの反応が帰ってきたのを確認してから。ジェムは暗闇、バトルピラミッドの中へと足を踏み入れた――



(本当に、ほとんど先が見えない……)

 入ってすぐにライトを付けたが、照らせるのはせいぜい1mほど先、しかも光源は細く左右の視界はほとんど利かなかった。正面が開けているようなので、とりあえず壁に突きあたるまで前に進む。5分ほど歩くと、壁――いや、壁画が見えた。上の方からライトで照らして文字を読んでみる。

「墓荒らしへ警告する。ここは王の住まう場所。お前たちごときが足を踏み入れていい場所ではない。これ以上立ち入るというのなら、番人が襲い掛かり墓荒らし共で殺し合うことになるだろう。入りたければ、慎重に仲間を選べ……?」

 墓荒らしとは挑戦者、王というのはジャック……ブレーンのことだろう。ほかに何か書いていないかと照らしてみると、その少し下に一文が書いてあった。

「この層の番人は動きを奪う。体は痺れ、上への侵入を拒むだろう……麻痺状態にしてくるってことかな?」

 ダイバも層によって性質は違うが状態異常を操る野生ポケモンが多く出現すると言っていた。おおよその見当をつけておく。どのみちこの階層では使うポケモンはすでに決まっている。

「進めるのは、右と左かぁ」

 左右を照らすと、両方とも道が続いていた。ここが最初の分かれ道。とはいえここで考えても仕方ない。右の道を、他のトレーナーと出くわさないように慎重にすすむ。

(お化け屋敷を歩くときって、こんな気分なのかしら)

 ジェムはゴースト使いの父を持ち、おくりび山で育ったため、そもそもお化けを怖がるという感覚はない。だがこういう暗闇をか細い光に頼って歩くのはなかなかスリルがあった。
少し道に沿って歩くと、光が突然何かを照らす。何かが近づいてくる気配がなかった。これは――

「ヴァーチャルポケモン……!これが『野生のポケモン』ってことね。いくよラティ!」
「きゅうん!」

 ボールから相棒を呼び出す。バーチャルポケモンはどうやらサマヨールの様だ。まっすぐ突き出された灰色の両手が、闇の中から覗いでいる。全体図は見えないが、ゴーストポケモンなら見間違えることはない、

「いくよラティ、『サイコキネシス』!
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