1. 玉子焼きと豚汁
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に乗せ、割烹着を着たまま食堂に来た。別に『そうしよう』と思ったわけじゃないんだが、自然と身体が隼鷹の隣の席へと移動してしまう。なんだろうなぁこの感じ。
「ずずっ……うまッ! ちょっと提督!!」
「ん? 隼鷹どうした?」
「ちょっとなんなのこの豚汁! めちゃくちゃうまいじゃん!!」
「そか?」
「今までの提督の料理で最高傑作なんじゃない? 鳳翔さん超えてるよこれ!」
そら褒めすぎだ……。ちなみに豚汁における俺と鳳翔の違いは、俺はさつまいもを使うという点だ。おかげで鳳翔が作るそれに比べてほのかな甘みがつく。隼鷹にはそれがよかったのかもしれない。
隼鷹は俺の隣で、鼻の頭を赤くして美味しそうにハフハフと豚汁を堪能していた。隼鷹の向かいで冷や汗を垂らしつつ上品に豚汁を味わっている飛鷹に比べて、なんてはしたない……七味も真っ赤になるほど入れちゃって……風味付け以上の効果が出てくるぞそんなに入れたら……
「そういや提督」
「ん?」
「明日は晩餐会なんですって?」
俺の隣の飲んだくれ女の姉とは思えない上品な声で、飛鷹は俺にそう言った。
「ああ。テーブルマナーなんか覚えてないし、恥をかきに行くようなもんだな。隼鷹とおもしろエピソードでも作ってくるよ」
「おもしろエピソード……ね」
飛鷹の箸が玉子焼きまで伸び、そして隣のおひたしに方向転換していた。綺麗な所作で箸につままれたほうれん草はそのまま静かに飛鷹の口へと運ばれていく。
静かにほうれん草を咀嚼し喉に通した飛鷹は、幾分不機嫌そうな顔を俺に向けた。飛鷹がへそを曲げる理由がよく分からない。俺何か変なこと言ったか?
「……大丈夫よ。隼鷹が一緒に行くなら、そんなことにはならないわ」
「そうか?」
「ええ」
飛鷹の言葉を受け、つい隼鷹を見てしまった。
「あ〜……最高だよ提督〜……酒が欲しくなる……ビール飲んでいいかな?」
この剛の者は、豚汁を肴にビールを飲むつもりなのか……と俺が呆れていたら、隼鷹はふらりと立ち上がり、そして台所に向かって行く。足取りが若干アヤシイ。フラフラとバランスを少しずつ崩しつつ、そして少しずつ直しながら、危なっかしい足取りで奥の方へと姿を消した。
「……あれで?」
昼間に引き続き、つい失礼な疑問が口をつく。一瞬『しまった』と思ったが、出てしまったものは仕方ない。その疑問を飛鷹にそのままぶつけてみた。
「大丈夫よ。隼鷹が一緒ならね」
豚汁を静かに味わう飛鷹は、よどみなくすっぱりとそう言い切っていた。
夕食が終われば、艦娘のみんなは各々自由時間になる。もっとも、夜間の哨戒任務につく子だけは別だが……今晩は川内と那珂がその当番だ。何もなければいいのだが。
そして夕食も終わ
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