あげないよ
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入るのを待っていた。
「お掛けになってください」
「失礼します」
なんだかかしこまった感じになったので、なかなか席に座れずにいたんだけど、女性の方・・・たぶんビオラさんがそう言ってくれたので、一礼して席に座る。その際ミンクさんは待っていた二人の後ろに待機していたので、これ見よがしにウェンディの隣にピッタリとくっついて座る。
「久しぶりね、ウェンディ」
「はい!!お久しぶりです!!」
優しげな笑顔で隣に座る少女に挨拶をするビオラさん。それに対しウェンディもにこやかに答える。
「他の皆さんは初めてですわね。私の名前はビオラ。こっちは夫のストリングス」
「よろしく」
紹介を受けた男性は無表情のままペコリと一礼する。なんか系統がレオンと似てるな、仏頂面なところが特に。
「夫!?結婚してるんですか!?」
ただ、その説明によって火がついた女の子が一名いた。サクラは相も変わらずハイテンションで詳しく結婚生活のことを聞こうとしていたが、話が進まなくなるのでレオンにアイコンタクトを送って口を塞がせてもらう。
「あの・・・今回の依頼って一体・・・」
水不足なのは依頼書に書いてあったが、詳しいことは来てから話すと書いてあった。なので、そのことを聞こうと思い二人に声をかける。
「そうでしたね。すみません、ウェンディが元気そうだったからつい嬉しくて」
話を反らしてしまったと言うわけか。なんでもウェンディが亡くなった妹さんに似ていたらしく、七年前もそれを利用して彼女のことを救ったらしい。てかよく聞いたらウェンディがこの街に来たのって依頼じゃないらしいじゃん!!ドラゴン探しなら俺にも声かけてよ!!
「一番の問題は水が不足しているということなのは依頼書にも書いてあったと思うが」
「そうらしいわね」
「見たよ〜」
水は何に取っても重要なものであることに変わりはない。それが足りなければ生活していくのが困難なわけで、解決しようとするのは当たり前のこと。
「そこまで困っているようには見えなかったが?」
「ちょっとレオン」
疑わしいものを見るような目をしている少年を、幼馴染みの少女が肘でこつく。今の態度で気分を悪くしないか心配だったけど、二人は特にそんな様子はなく、ひとまず安心する。後ろのミンクさんはすごい睨んでたけど。
「今は隣街から水を分けてもらっていて、なんとか生活していく分には困らないようにはなっている」
「しかし、最近あちらの街でも水不足になりつつあるらしくて、分けてもらうことが難しくなりそうで・・・」
それで俺たちに依頼を出したというわけか。街の人たちに不便な思いをさせないために、なんとか水を工面してきたけど、今ではそれも難しくなりそうで、だからギルドに依頼を出したと
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