あげないよ
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ミンクさんがようやく正気を取り戻し、お屋敷の中へと案内される俺たち。中に入ると、そこは外観に見劣りしない豪華なものとなっていた。
「ミンクさん、副隊長になったんですか!?」
「あぁ!!俺も結構やるんだぜ」
道案内のために先頭を歩いているミンクさん。その隣には色々とお話ししようと考えたのか、ウェンディが並んでいるんだけど、すごく仲が良さそうで何とも言えない気持ちになる。別に浮気とかではないだろうし、ミンクさんもいい年齢だ。さすがにウェンディに手を出すようなことはしないと思うけど・・・
「近すぎる・・・」
それでもあの距離感は気になる。仲が良すぎて焼いてしまう。ウェンディ・・・頼むからこっちに戻ってきてくれ・・・!!
「キャッ!!」
一人不安に刈られていると、本日二度目の転倒をしそうになる天竜。それに気付いて支えようと思ったんだけど・・・
ガシッ
距離が開いていたこともあり、彼女の隣を歩いていたミンクさんに先を行かれてしまった。
「大丈夫か?」
「は!!はい!!ありがとうございます」
両足を地面に着けさせてから彼女の手を離し、一人で立たせる。助けてもらった少女は何度も何度も頭を下げて感謝の意を表す。
「な・・・なぁ、ウェンディ」
「はい?」
「シリルがこっちをすげぇ睨んでるんだけど・・・」
その様子を羨ましそうに見ていた俺の方を恐ろしいものを見る目でミンクさん。その様子はまるで獣に睨まれた子犬みたいだけど、そこまで睨んではいないぞ・・・たぶん・・・
「こ・・・この先の部屋がビオラ様たちのいる部屋だ」
目線を反らすようにして前へと向き直り、足早に目的地へと向かっていったミンクさん。その際レオンとシェリアに“落ち着け”と視線で訴えられたが、そこまで動揺してはいないぞ?みんな気にしすぎなだけなんだよな・・・
「シリル、ずいぶん怖い顔してるわね」
「ウェンディを取られそうだからね〜」
前を歩く二人の猫耳少女が何かブツブツと話をしているが、俺たちの耳には届かない。大丈夫、ミンクさんはどう見ても大人の男性なんだから、ウェンディに手を出したりはしないはず・・・ウェンディは俺とが一番お似合いだもん。心配しなくていいんだよな。
「ここだよ」
案内された部屋は他の部屋よりも一回り大きな扉が付いており、いかにも偉い人が住んでいるような、そんな印象を与える大部屋が目の前に広がっている。
コンコンコンッ
「失礼します」
ミンクさんはネクタイを正してからノックをし、扉を開けて一礼して入っていく。彼に習って俺たちも同じように入っていくと、部屋の中には、ミンクさんと同い年くらいの女性と、彼女より少し年上のような男性が腰掛けていたソファから立ち上がり、全員が中に
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