宇宙編
月決戦編
第39話 宵闇
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の状況にいるのか。せめて伝えるべきなのでは?」
「無駄口を叩くなと言ったはずだ。お前はいつも母親のようなことを言う。俺はもう戦いを見たくはない。馬鹿なことかもしれない、無謀で間抜けかもな。だが俺は、この命に代えても……ふっ、俺らしくもねぇな」
静かに乾いた微笑を浮かべた彼は、裏切りという大罪を犯した人間とは思えない優しい目だった。
「そんなことありません。少佐は一人ではありませんよ。私も、死ぬまで少佐について行きます」
「今度は恋人気取りか?」
「少佐のことを愛しているわけではありません。少佐の意思に賛同しているまでです」
「かわいくねぇな」
再び微笑を浮かべたグレイブスは、相変わらず光のない目を見つめた。
真空の宇宙に包まれた二人を、暖かな何かが包みこんだ。
「お前は死なないでくれ」
「あなたが死ぬまでは、ですけど」
片隅に煌く星の光。
人類を救う光には、あまりにも儚く脆い。
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