暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
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奪われ、スキルを鍛える暇がない。だがそれでも、イベントボスやクエストボスとかち合わない限り、ただのフィールドMobにやられるほど弱くない。フニはともかく、一緒にいた少女達の実力は折り紙付きだ。
それでも
彼
(
フニ
)
はここにいる。
ならばそれは、極大の
異常事態
(
イレギュラー
)
の発生に他ならない。
まったく笑っていない笑顔の下、アリシャは領主の顔でこう言った。
「……何があったの?」
「…………襲撃されました」
ざわ、と会議室の空気が蠢く。
少年の言葉は、それに類する衝撃を与えるには充分だった。
「……誰に?」
「ウンディーネ」
一瞬の静寂。
そして、撃発した。
「ウンディーネだと!?何で奴らが関わってくるんだッ!?」
「クソったれ!下手したら一気に構図がひっくり返るぞ!」
「いや、下手したらもう――――」
「静かにッッ!」
ダァン!!と。
アリシャが机を思い切り殴りつける音で喧噪は正気を取り戻す。
「狼狽えないで。皆、できることをやろう。ネガティブな想像は自縄自縛になるだけだヨ」
領主の鶴の一声に、場は元のざわめきに戻る。
そのことにはもう構わずに、アリシャは机越しに少年を見据えた。
「詳しく教えてヨ、フニくん。他の子達は?やられたの?」
「い、今も交戦中のはずです。場所はガタンから北北東。第六オアシスの手前です」
「援軍を向かわせる。付近にいる子に連絡を取って!」
はい!と執政部の一人が部屋を飛び出していく。
ケットシーは自由奔放な気質の反面、横のネットワークは全種族中頭一つ飛び抜けている。きっとすぐに、今も戦っている彼女達に朗報が届くだろう。フニは届くはずもない部下に向け、一心に祈った。
その間にも、領主の詰問は続く。
「相手はウンディーネ……先手は相手が?」
「は、はいっ!隊員に矢が刺さって、発射位置にウンディーネの小隊が……!」
「わかったヨ。なら、ウンディーネ領に問い合わせて、その襲撃が個人的なPKなのか……あるいは、ウンディーネそのものの総意なのか確かめなきゃ」
ウンディーネは現在、どことも同盟関係を築いていない中立である。
内面はどうあれ、このALOがPK推奨である以上、襲撃そのものはそこまで問題ではない。だがそれが、サラマンダーのように積極的にPK行為を行わないウンディーネがしたからこそ、そこに不穏な意図があるように見える。いや、見えてしまう。
黄金色のウェーブヘアを揺らす彼女だが、しかし具体的なアクションをする前に一声が投じられる。
「あれ?でもさっき、ウンディーネから何かメール来てましたよ」
「……?」
すぐさま文書化されたメールの文面
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