あのCM見てたら書きたくなった。
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
何年か前、ウチの鎮守府でハイボールブームが起きた。恐らくN◯Kのドラマが原因だろうが、あの頃は皆こぞってウィスキーを注文していた。…だが、ウィスキーなんか飲み慣れて居ない奴にとってはハイボールが手軽に手をつけやすい。だからこそ、ハイボールの注文が激増した。
あれはそう、そんなブームも盛りの頃だ。
「提督っ、ハイボールお代わりっ!」
「またか。好きだねぇお前らも。」
俺は苦笑いしながらも作ってやる。ウィスキーと炭酸を1:1。そこに輪切りのレモンを入れて、マドラーで2〜3回上下に。
「ウィスキーが、お好きでしょ〜っ♪と。」
あのCMソングがついつい口をついて出た。それを聞いた艦娘が、プッと軽く吹き出した。
「へぇ?提督も歌ったりするんだ。でも似合わな〜いっ!」
キャハハハハハ、と笑い上戸なその艦娘は受け取ったハイボールのジョッキをゴクゴクと飲んでいく。
「おいおい、お前ら明日出撃だろ?大丈夫かよ。」
「大丈夫ですよぅ提督ぅ。アタシも蒼龍も、明日に響くまで飲みませんよぅ。」
そう、今夜の客は蒼龍と飛龍の二航戦コンビ。ウチの鎮守府では一航戦よりも二航戦が大喰らいになってしまっている。
「提督ぅ、お腹すいたー?なんかおツマミ〜っ!」
蒼龍がギャアギャアと喚いている。当然、ハイボールに合うツマミという事になるだろう。……とくれば、ジャンルは一択。
「仕方ねぇなー。じゃあちょっと待ってろ、なんか揚げてやるから。」
やっぱビールとかハイボールのツマミには、揚げ物欲しくなるんだよなぁ。翌日の胃もたれとかカロリーとか、後々のリスク高いけど。
まずはジャガイモ。泥を落としたら皮付きのまま6等分から8等分に櫛形に切る。皮付きの方が揚がって食べる時に、仄かに皮に染み付いた土の香りが立って良いアクセントになる。後はニンニク。これは薄皮剥くだけ。切ったりしない。
で、熱した油に同時にドボン。ニンニクの方が火が通りやすい。こんがり狐色になったら先に上げる。焦がすとえぐみが出るからな。ジャガイモも揚がったら油を切って、熱い内に塩を振って馴染ませる。揚げたニンニクは砕くなり細かく刻むなりしてジャガイモに散らす。
「ホラよ、ガーリックポテトだ。熱いから気を付けろ。」
わーい、と大皿で受け取った二人は、右手にハイボール、左手にポテトを持ち、交互に口に流し込んでいく。
「熱っ、美味っ、熱っ、美味っ♪」
「ん〜、しやわせぇ〜。」
しかし美味そうに食うなぁコイツら。俺も飲もうかな。但し、只のハイボールじゃないけど。
用意するのは生姜のシロップ煮。輪切りにした皮付きの生姜を、ザラメとかきび砂糖とか、料理に使うような砂糖と
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ