真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part1/ウェザリーの野望
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た後ろ髪とハルナの性格からは考え着かない鋭い目をしていた。
「デルフ、今のハルナはウェザリーの魔法で操られているのよね?」
「あぁ、娘っ子もわかるだろう、あの嬢ちゃんは娘っ子が知っている時とは性格が違うだろ?いつの時代でも、間違いなく禁忌の魔法だ」
「人の心を操る魔法…なんてことを…!」
ルイズは、人の心を思いのままに操る魔法を平気で使うウェザリーに憤る。
「なんてことを…ねぇ。確かに私はそういわれても仕方のないことをしていることは承知しているわ。でも、私がトリステインから受けてきた屈辱と痛みはこんなもので済むものじゃないわ」
母と同じ獣人の血を引くがゆえに、トリステイン政府…主にリッシュモンの企みによる迫害ですべてを奪われたウェザリーは憎悪の念を口にする。しかしルイズはすかさず、そのためにハルナを利用しているウェザリーを非難する。
「ハルナは元々この国の人間でもないじゃない!それを利用しての復讐なんて、もはや正当性は皆無よ!これ以上罪を重ねるくらいなら大人しく投降して!」
「…ふん、伝説の系統に目覚めたとはいえ、所詮小娘と小僧などに何ができるというの?」
「ハルナ、君とは戦いたくない。そこをどいてくれ」
サイトはハルナを見て、大人しく退くように伝える。しかしハルナはそこをどこうとしなかった。
「そうは…いかないね。あんたたちの知るハルナと違って、今のあたしはウェザリー様の駒だ。この方がいなければ、今のあたしは存在していない。生みの親を守るのが子の務め…わかるだろ?
言っとくけどサイト、今度は…あんたが無抵抗でも再起不能になるまで攻撃させてもらう。そうなったら、あんたがやたら大事にしているルイズも、この世界でできた仲間も全部失うことになる。
最も、あたしを倒せても、あたしという人間が無事で済むかの保証もできないよ」
「ッ…」
やはり、退く気はないということか。これもウェザリーの禁じられた魔法による力なのか。無条件で彼女を守るように設定されている。
やっぱり、やるしかないのか。サイトは、今度こそ彼女と戦う覚悟を決めようとした。
だが、結局それでハルナを救えるのか?万が一本気で戦い、勝ったとして、彼女は無事ですむのか?もしそうなったらと考えると、前回と同じように強い躊躇いが生まれる。
「…」
ハルナは、そんなサイトを見て、鋭くなっていたはずの目が、今のサイトがそうであるように、憂いているようにも見える眼差しになっていた。
「ふふふふ…」
すると、ウェザリーは突然奇怪に笑い出した。
「何がおかしいの?自慢の切り札の力なら、私たちに勝てるっていうの?」
目を細めるルイズ。確かに、ハルナの正体がファウストであることを考えると、彼女が余裕の態度をとることもおかしくない。
だが、サイトは知っている。ハルナは前回の戦い、自分の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ