真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part1/ウェザリーの野望
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ステインに危害を及ぼすものだったら無視しようにもしきれないじゃない。困るのはあんたも同じなのよ」
「そりゃ、わかるけどさ」
あまりむやみやたらに首を突っ込み過ぎるのも考え物ではないか?というのがレイナールの考えであった。でも念には念を、万が一の時に備え、ルイズの言う通り調べる必要もあるだろう。
ギーシュはムサシ・ジュリオ・マリコルヌ・レイナール・モンモランシー(ギーシュ曰く、彼女だけは外せないとのこと)を連れて、ジュリオが入手した情報にあった地点へ向かうことになった。
そんな彼らを、ハルナは遠くから見ていた。
「ルイズ…!」
ギリッと歯ぎしりしながら、サイトの隣に当たり前のように立つルイズを、彼女は憎たらしげに睨み付けた。
『…やめ…て』
「ちっ、まだ言うか」
自分の主人格が、今の彼女…ファウストの人格に頭痛に似た痛みを与える。いい加減ウンザリに思うが、自分と彼女は同じ存在。切り離したくてもできないのだ。
「あんたは、サイトが欲しくないのか!ルイズにサイトが奪われたままでもいいのか!」
『……』
「やっぱり、嫌なんだろ。分かるんだよ。あんたはあたしなんだからな」
たとえルイズを手にかけてでも、サイトへの強い想いを貫こうとする自身の闇は断言する。
しかし、ハルナの本来の人格も黙らなかった。
『確かに…それは嫌よ。平賀君には、私だけを見てほしいって思ってる。だけどそのために、ルイズさんを倒して、平賀君にウェザリーさんの魔法をかけるなんて、間違ってるよ…』
「いつまでんなこと言ってるんだ!あたしたちだけが、サイトに見てもらえるんだぞ!こんな世界からも、サイトが解放されるんだぞ…こんな醜い世界からも、ウルトラマンとしての使命からも…」
サイトはきっとルイズを見捨てない。けどそれは自分をみていてくれていないと言うことだ。ルイズを捕まえ、サイトにはウェザリーの魔法をかけてもらえば…
ハルナの闇は、サイトが自分をみていてくれさえすれば、どんな形でも構わなかった。
しかし、ハルナは言い返した。
『だけど…いくら私たちだけ見てくれるのだとしても、それは…』
「うるさい…」
それ以上言うな。言わなくても、わかっている。今は耳を背けていたい言葉が、ハルナの頭の中に轟く。
『それは、私が好きになった平賀君じゃない!』
「黙れエエエエェーー!!」
そして、その声を必死に振り払うような、ハルナの心の闇の叫びが響いた。
「…もう限界と見るべきか」
ウェザリーはハルナを見て呟く。本来の彼女の人格が障害だから、二度と目覚めることがないように術をかけたはずだ。だが、ウルトラマンゼロの放つ金色の光と言葉に踊らされ、奴の光のパワーを奪いきれなかった。
今のハルナの人格は、ファウストを自分の意のままに操るために、
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