真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part1/ウェザリーの野望
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手も借りたい状況だからやむなし、しかし人の意識はそう改められるものではない。ムサシもそれはわかっているので、マリコルヌたちの疑惑にも耐えた。
「マリコルヌ、あまり仲間を侮辱するものじゃないぞ」
横からマリコルヌを、ギーシュが注意する。
「なんだよギーシュ、今度はルイズに色目かよ」
「な、何を言うんだね!僕は陛下の近衛部隊『UFZ』の隊長として…モンモランシー、君からもなんとか言ってくれ!」
「ふーん…今度はルイズなんだ」
「も、モンモランシー…」
行きなり根も歯もないことを言われ、ギーシュは愛しい恋人に助けを求めるが、肝心のモンモランシーから疑惑に満ちた視線を向けられた。自業自得、恋人のキツい視線に、ギーシュは肩を落とした。
「みんな、喧嘩しないで。それより、今僕らがつかんだ情報をまとめよう」
レイナールが悪くなる空気を変えようと、強引に話を今回の任務に切り替えさせた。
「サイト、何か情報はつかめたかい?」
「…いや、ない訳じゃないんだけど…」
サイトもあまり有力な情報を得られなかった。しかし、つかんでいるものもある。
しかしそれは……。
「聞いたか?王都でウルトラマンの戦いがまたあったそうだ」
「また?けど、ウルトラマンって本当にいい人なのかしら?」
「少なくとも、他の巨人や王軍と一緒にタルブを救ってからは、評判いいみたいだしな」
「いいわけあるかよ!俺たちの町を、一度めちゃめちゃにしたのを忘れたのか!?」
「しかも、ウルトラマンって中には悪い奴もいるんだろ?特に黒い姿をした奴」
「あぁ、レコンキスタといい、奴らといい…まったく迷惑なもんだぜ。そんなに争いたかったらよそでやれよって話だ」
「俺達の街をあんなにしておいて、今更正義の味方のつもりかよ。俺の息子はあの日…」
聞き込み調査の際にサイトたちの耳に入ったのは、怪獣や侵略者以上に、ウルトラマンに対する非難の声が高かった。しかも、先日のトリスタニアにおけるファウストとの戦闘についてもこの街の人たちは情報を掴んでいた。
「……」
サイトは、これを聞いて辛い顔を浮かべざるを得なかった。ゼロも彼の中で同じ反応だ。自分たちのせいで引き起こされたとはいえ、これらの声はかなりきつかった。
「サイト、うかない顔を浮かべている場合じゃないわよ。あんた自身が言われた訳じゃないんだから」
「…うん」
ルイズからそのように言われるサイトは、うかないまま張りのない声で返事をした。残念なことに、知らないとはいえ、サイトが聞いたウルトラマンへの恨みの声は彼に対するものも同然なのだ。
(ウルトラマンのこと?それとも、ハルナのことがそんなに気になるのかしら…)
そんなサイトを見て、ルイズだけでなく、ムサシも同じように憂い顔になる。
『サイト君、ゼロ…』
この街で起きた事
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