真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part1/ウェザリーの野望
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たままだったせいで、ウルトラマンゼロから奪うはずの光を完全に奪いきれなかった」
『ま、まさか…!?』
ゼロはこのとき、ひとつの確信にたどり着いた。
ウェザリーの話から考察すると、そうとしか考え付かなかった。
「さあ、人形。あなたに貸し与えた闇の力を『返して』もらうわ」
「ぐ、ぐう…」
ハルナは自分の首を掴んでいるウェザリーの腕を握り返し、振り払おうとした。
だがそのとき、ハルナの体から黒いオーラが溢れだし、ハルナの首を掴むウェザリーの腕を介して彼女に流れ込んでいく。
やがて、黒いオーラを吸い尽くされたハルナはぐったりし、意識を手放してしまう。
すべての『闇』をハルナから奪い去ったウェザリーは、ハルナをサイトの方へ投げ返した。
辛うじて受け止めたサイト。
「不良品だけど、それなりに役にたってくれたわ。
この闇の力は、今だけでも充分強化された。最低限の役目そのものは達成できたということ。たとえどんな強力な力を持つ者が相手でも遅れをとることはない」
「てめえ…!」
これまでこの女がハルナに行ってきたことといい、今のぞんざいな扱いといい、彼はウェザリーに対して怒りに満ちた視線を向けた。
ルイズも、サイトがハルナに気を使いまくっていることに少し不満を抱いてはいたが、サイトと同じ気持ちだった。
「さあ、そろそろ幕を降ろしましょう。トリステインという、この醜い欲望と野心に満ちた舞台をね!」
瞬間、ウェザリーの目が赤く染まった怪しい光を解き放つ。さらに、彼女の体も紫色の闇を放ちながら彼女自身を包み込み、その姿を一変させた。
「なっ…!?」「嘘…」
サイト、ルイズは驚愕する。
ウェザリーが立っていた場所には、何度も相対した強敵の等身大の姿があった。しかし今回は、ハルナが姿を変えたものではない。
『やっぱりそうだったのか…!』
さっきまでのウェザリーの説明を思い返しながら、ゼロは自分がたどり着いた確信がその通りだったことを痛感した。
姿を変えたウェザリーは、舞台女優のような口上で自らをこう名乗った。
『私こそが…真のファウスト。
トリステインに闇をもたらす、赤き死の魔神だ…!』
ラ・ロシェールの町を舞台に、ウルトラマンゼロと、本物のファウストにしてウェザリーのもうひとつの姿
『ダークファウスト・ツヴァイ』の戦いが幕を開いた。
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