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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百十一話 決戦、ガイエスブルク(その1)
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とヴァルデック男爵が予備として後方に待機する。
ハイルマン子爵、コルヴィッツ子爵、ヴァルデック男爵はリメス男爵家の財産相続でエーリッヒの両親を殺したと言われている人物だ。本人達は否定しているが本当かどうかは分からない。
ただ彼らにしてみれば帝国屈指の実力者に恨まれているというのは恐怖なのだろう、酷く怯えている。他の人間はエーリッヒに対する反発からこの内乱に参加しているが、彼らは恐怖から参加している。生き残るためにはエーリッヒを殺さなければならないと思い定めている雰囲気がある。
そしてフォルゲン伯爵、この人物もエーリッヒとは無関係ではない。この人物の弟はサイオキシン麻薬の密売人だった。そして彼は当時の内務省警察総局次長ハルテンベルク伯爵の妹の婚約者でも有った。
弟が、妹の婚約者がサイオキシン麻薬の密売人であることを知ったフォルゲン伯爵、ハルテンベルク伯爵は密かに彼を前線に送り戦死させた。本来ならそれで終わりだったがエーリッヒがサイオキシン麻薬の摘発を行った事がきっかけで全てが表沙汰になった。
ハルテンベルク伯爵はサイオキシン麻薬の密売組織の存在を知りながら放置した事が明らかになり自殺。フォルゲン伯爵も弟がサイオキシン麻薬の密売に関わっていた事で叱責を受けた。
だが叱責だけですんだのは伯爵自身はサイオキシン麻薬に何の関係も無かった事、また弟を戦場に送り戦死させたのも伯爵家を守るためだと同情されたからだった。貴族にとっては家の名誉を守る事は何よりも重大事であり、伯爵の行為は止むを得ないものとされたからだった。
伯爵が貴族連合に参加したのはその件でエーリッヒを恨んでいるからだろう。また伯爵はハルテンベルク伯爵の自殺で内務省に大きな借りを作った。それも一因かもしれない。
「敵が現れました! スクリーンに映します!」
オペレータが報告をしたのは二時間を少し過ぎた頃だった。司令室の空気が緊迫する。そしてスクリーンに敵が映った。圧倒されるような大艦隊だ! 視界の端に怯えたようにスクリーンを見る二人の少女が見えた。
戦術コンピュータのモニターに敵味方の勢力が映し出された。
「敵の部隊の指揮官を特定してくれ」
「少し時間がかかりますが」
オペレータが少し困ったように答えた。
「構わない」
これだけの大艦隊、しかも距離は未だかなりあるのだ、特定は簡単ではないだろう。だが両軍が戦火を交えるには未だ時間が有る。指揮官の特定はそれまでに間に合えばいい。
少しずつ両軍が近付いていく。
「エリザベート様、サビーネ様。そのように不安な御顔をなさいますな。まだ戦は始まっておりませぬ。大丈夫です、御味方は勝ちます」
二人が強張った顔に僅かに笑みを浮かべた。二人を落ち着かせるため少し話をした。ブラウラー大佐、ガ
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