第十五章
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「お金のことは関係なく」
「大きく出たね」
「これでもお金には困っていないのよ」
そうした仕事をしているからとは言わない、魔術師としての仕事は裏の仕事だ。その為契約金も報酬もかなりのものだ、尚沙耶香は仕事をしくじったことはなく時折楽しむギャンブルでも魔術師としての勘のせいか負け知らずだ。だから金には困っていないのだ。
「だからね」
「どんな上玉でもか」
「ええ、大丈夫よ」
金のことは関係なく、というのだ。
「そのことは言っておくわ」
「そうか、それじゃあな」
主も応えてだ、そしてだった。
沙耶香に店の女達の写真を見せた、沙耶香はその中でとりわけよさそうなモデルの様なブロンドの女と赤髪の可愛い感じの女の写真を指差して言った。
「この娘達にするわ」
「よくわかったな、その娘達はな」
「このお店でもよね」
「ああ、実はこの店は自慢じゃないがな」
親父は笑って沙耶香に応えた。
「ベルリンでもいい娘を揃えているんだよ」
「それを感じたから来たのよ」
店から感じられる気配だ、こうした店も気配がありそれがいい店を魔術師の目で見てそのうえで入っているのだ。
だがそのことは隠してだ、沙耶香は主に怪しく笑って言った。
「お部屋もサービスもいいわね」
「ワインもいいのがあるぜ」
「ブランデーもかしら」
「ああ、いいのがな」
「では三本お願いするわ」
「あんたが一本でか」
「女の子達に一本ずつ、ナッツもお願いするわ」
肴として、というのだ。
「そちらもね」
「わかった、じゃあ丁度いい部屋が空いてるからな」
「このお店の中でも」
「風呂もいいぜ、その部屋は」
「ではそちらにするわ」
「よし、じゃあその娘達を呼ぶな」
今からとだ、そして実際にだった。
親父は一旦店の奥に入りそうしてだった、二人の美女を連れて来た。そのブロンドのモデルの様な女と赤髪の可愛い女をだ。
二人共淫靡な趣の服を着ている、ブロンドの女は赤の丈の長いドレス、そして赤髪の女は白のミニ丈のワンピースだ。二人共薄い生地で露出はかなりのものだ。
女達は沙耶香に挨拶をした、すると。
沙耶香も挨拶をしてだ、女達をそれぞれ両手に抱いたうえで部屋に向かいそこで主に背中を向けていたが彼の方を振り向いて言った。
「ブランデーは後でお店に来て」
「ナッツと一緒にだな」
「ええ、お願いするわ」
こう告げてだ、沙耶香は二人の美女と共に部屋に入ってだった。朝まで楽しんだ。
そして朝だった、濃厚な退廃と上等の香水にソープ、女達の香りを身にまとって店を出た。するとその入口にだ。
もう速水がいた、速水は沙耶香に微笑んで声をかけた。
「おはようございます」
「場所はわかるのね」
「貴女の気配は私にとってはわかりやすいで
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