524部分:第七十四話 流星の牙その四
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第七十四話 流星の牙その四
エリスは今己の玉座にいた。そうしてそこで何かと話をしていた。その話は。
「そうだ、まずはだ」
『我々をですか』
『この忌まわしい束縛より解き放って下さるのですね』
『遂に』
「左様、そなた達がいなければだ」
その声の主達に話すエリスだった。玉座に座ったまま厳かな声で彼等に話している。
「我等の勝利はおぼつかぬ」
『有り難き御言葉』
『そう言って頂き何よりです』
「言葉では済まさぬ」
それには留まらないというのである。
「実際にだ。解き放ってみせよう」
『それではまさに』
『我等を』
『この世に出して下さるのですね』
『そしてこの世をアーレス様のものに』
「そなた達を解き放ってだ」
エリスの言葉は続く。
「その力を使わせてもらう」
『アーレス様にお戻り頂く為に』
『この世に』
「その通り。そなた等の力あればこそだ」
エリスはまた彼等に告げた。
「アーレス様を冥界より戻ることができるのだ」
『アーレス様も我等を必要とされている』
『そうなのですね』
「言うまでもないと思うが」
それを聞いたエリスは思わず微笑んだのだった。その彼等の言葉にだ。
「それについては」
『そうなのですか』
『我々が』
「そなた達がいて私がいる」
彼等と自分自身のことを話してみせた。
「そして狂闘士達がいればじゃ」
『それでアーレス様の羽翼が全て揃います』
『何もかもが』
「その通り。だから戻って来るのだ」
また彼等に告げた言葉だった。
「よいな」
『はい、それでは』
『是非共御願いします』
『我等の封印を』
『この忌まわしい封印を』
口々に言った彼等だった。エリスに願う言葉であった。
『そして我等四柱』
『再びアーレス様とエリス様の下に集う』
『この力を捧げましょう』
『アーレス様の世界の為に』
「そうだ。アーレス様の為だ」
エリスの言葉は淀みがない。彼女もまたアーレスの治める世界を見ている。それをはっきりと見ているのだった。しかも純粋なまでにだ。
「よいな」
『はい、それでは』
『その時には』
「今七つ目の封印が解かれようとしている」
エリスの話が変わった。
「そして八つ目の封印が解かれたその時にこそ」
『それは間も無くですね』
『その時こそ』
「リゲルがもうすぐその闘いを終える」
彼がというのだ。
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