鼠に好かれるアラサーの私
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抱きついてきたり顔をうずめてきたり?ずりしてきたり。人目が多いところでは流石にやめてほしい。私も恥じらいとか羞恥心とか、そういうものは持ち合わせているのだし。
つまり何が言いたいのかというと、アルゴ可愛い。ヤバい思い出した。そういえば私、子供好きだったわ。というか子供の他に、アルゴみたく小さい子とか凄く好きだったんだった。小さい子に触れ合う機会がなかったからか忘れていたが、そういえばそうだった。
あ、私がキリトに付いて行ったのってまさかこれが原因……? ありえちゃうところが怖いなぁ。
「結構うまいよな、それ」
キリトはそう言ってフェンサーに話しかけた。フェンサーはキリトを睨みつけている。
「隣、座ってもいいか?」
キリトはベンチに最大限距離を置いて座った。私はそのベンチの隣にあるベンチに座り、肩車していたアルゴを隣に下ろした。
「ほらアルゴ、クリーム」
「ああ、あのクエストクリアしたんだナ」
アルゴに時間がかかって面倒だった《逆襲の雌牛》の、時間の割に合わないクエスト報酬のクリームが入ったツボを渡した。
「黒パンにつけて食べたら中々美味しくて、その後に5回クエストを受けちゃったよ」
「オオ、そいつはご苦労だったナ」
「本当にね」
アルゴも私も黒パンを取り出し、クリームが入った《ツボをパンに使用》した。するとクリームは、黒パンにゴッテリと盛られた。いやー、これがまた美味いんだよねぇ。
アルゴ自身の手に持つゴッテリクリームパンに目を輝かせている。
「あむ」
アルゴが黒パンにかぶりつくのを隣で見て、そして私も手に持っているクリームが盛られたパンを口にした。
口に広がるクリームは甘く滑らかで、そして酸味のあるクリームがアクセントになっていて、本来ボソボソの黒パンをこうも美味しくできるとは……いやはや、恐れ入った。クリームのストックはまだ4個ある。これでしばらくは黒パンによる被害を回避する事ができるだろう。
それにしても本当に美味しいな、このクリーム。ストック切れたらまたクエスト受けようかな。
「ンー! うまいナー!」
「これくらいの美味しさをそこらのレストランにも導入してほしいんだけどね……」
レストランは基本的に不味い。上の階層に行ったらあるのだろうが、それは上の階層の話であって、第1層を攻略していないので一概にこれとは言えない。
ともかく、不味いのだ。パスタを食べてみたのだが、これがもうなかなかどうして。あんなふにゃふにゃではパスタとは呼べないだろうに。昔のイギリス料理か何かだろうか。ああ、いや。別にイギリスを貶しているわけではないよ?
キリトと少女の方を見ると、キリトは何故か暗い顔をしていた。何故かは分からないが、つまりはキリトが暗くなるよう
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