鼠に好かれるアラサーの私
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だろうか。胚珠に体に溜まっている毒素を吸わせるとか? そして成長してリトルネペントにするのか? うん、自分でも何言ってるのか分からなくなってきた。
というわけで森の中である。
「なあティグ」
「どうした?」
「昨日買ってたその装備、防御力とか大丈夫なのか? 軽そうだけどさ」
ああ、このYシャツとかか。
「確かに防御は低いけれど、その分AGIが少しだけど上昇しているよ」
「そうか、ならいいんだけど」
「私としては現実と同じ服装でいたいからね。そうしないと何だか落ち着かなくて」
普段着や外出着は、いつもこれである。冬場は流石にコートを着るけど。
と、早速リトルネペントらしきMobが2匹、姿を現した。
「じゃあ早速、始めるか」
私は頷き、
「うん、始めよう」
と言い、リトルネペントに迫った。
かれこれ3時間くらい経っているのだが、《花付き》が全然出てこない。やはり下方修正されているのだろうか。茅場晶彦許すまじ。
「……これで、300匹目か」
リトルネペントの懐に入り込み、ソードスキルを使わずに右上に逆袈裟斬りを放つと、奇声をあげてポリゴンとなって爆散した。ポリゴンと言ったら昔ポケモンショックなんてのがあったらしいな。まあ私が2歳の時の話だから、当時の事は記憶に無いけど。
それにしても、《花付き》が全然ポップしないのだが。まったく……いつになったら出てきてくれるんだ《花付き》さん。このままだとキリト共々疲労困憊でやられちゃうよ。いや、もう既に疲れはそれなりに溜まっているのだが。
チラッとキリトを見た。キリトもキリトでソードスキルを駆使し、リトルネペントを殲滅している。βテスターとしての経験もあるのだろう、キリトは私よりも余裕そうだった。これが性能の差というものか。いや、違うか。
「キリト。今、何匹目だ?」
「そうだな……これで、345匹目!」
キリトは先程とは別のリトルネペントに2連撃のソードスキル(名前は知らない)を放つ。そしてその連撃を土手っ腹に喰らったリトルネペントは、断末魔とともに散った。
「やっぱり下方修正されてたみたいだな……」
「ああ、そのようだな。どうする。《実付き》でも襲って、誘き寄せてみるか?」
私がおちゃらけた感じでそう言うと、
「へ、変な事言うなよ……確かにその方が楽そうだけどさ」
キリトは冷や汗をかいて、苦笑しながら言った。
リトルネペントの《実付き》の実を破壊すると、リトルネペントが大量発生して、集団総攻撃を仕掛けてくる。だからこのクエストを受けるプレイヤーは、《実付き》を発見しても徹底的に無視するのが定石らしい。まあ《実付き》も、それ程ポンポン出てくるというわけではないのだが。
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