第74話 榎本の失敗
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たずに大騒ぎを続け、黒田にも酒を薦めるありさまだった。
「まぁ、まぁ、黒田さん。そう怒らずともまあ一杯」
へべれけになって黒田に杯を渡し、酒を注ごうとしていた。
「こんなとこで、呑気に酒を飲んでていんですかの?おまんさちちは、アボルタージュって作戦をしらんかの?」
黒田は怒りのせいか杯を叩きつけた。
「なにすっとや!!アボルタージュ?なんじゃそりは!!長州藩をなめるな」
杯を割られ、怒りを込めて長州藩士は怒鳴り方を抜こうとした。
「おまんさら、海軍のくせにアボルタージュもしらんとはおめでたい連中よ。
いいか、耳の穴、かっぽじってよく聞けよ。アポルタージュっていうのは、国際戦略でも認められている戦艦強奪作戦だ。簡単に言えば、だまし討ちなようなものだ。だが、おまさら、榎本を侮るな。あん人は、やる絶対に。その時、船が奪わりもうしたなら、おまさら、どう責任取るとや?」
黒田は、酔っ払って刀を抜こうとしている長州藩士達を睨みつけた。
後日、黒田にどやし付けられた藩士たちは、アボルタージュ作戦を調べてみると、全員が粟をくった。
もし、黒田に指摘されなければ、とんでもないことが起きた事だろう。
甲鉄は奪われ、戦争を長期し、諸外国に付け入れられていただろう。
海軍はすぐさま、アボルタージュ作戦対策を行い、事なきを得たというのがその経緯だった。
そして、この榎本最大の失敗が、新政府軍が、榎本、恐るべしと認識し、蝦夷政府に総攻撃を決行させる要因になってしまったのだった。
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