１１９章 信也たち、マンガ『クラッシュビート』を語り合う
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
１１９章 信也たち、マンガ『クラッシュビート』を語り合う
１１月２５日、金曜日。最高気温は１１度ほどで、空はよく晴れた。午後６時３０分。
信也と、青木心菜と水沢由紀と青木葵の４人が、
下北沢駅南口から歩いて１分の、もつ焼きともつ料理の居酒屋の『もりかわ』の
テーブル席に集まっていた。店内は完全禁煙で、席数は３９席。
川口信也は、外食産業大手のモリカワで課長をしていて、
ロックバンド・クラッシュビートもやっている、２６歳の独身だ。
青木心菜は、そのモリカワと、同業の外食産業最大手のエターナル（eternal）が共同の、
芸術活動を広く援助する活動の慈善事業、ユニオン・ロックから育った、２４歳の人気マンガ家だ。
水沢由紀は、心菜の幼馴染で、親友で２４歳だ。
２０１５年の１２月、由紀は、腱鞘炎で困った心菜の、
マンガの制作を手伝って、その後も、心菜の腱鞘炎が治った現在もアシスタントをしている。
青木葵は、大手マンガ雑誌三つ葉社の、心菜の担当編集者で、２５歳だ。
心菜と由紀とは、価値観も合うらしく、親友の付き合いだ。
信也は生ビール、女性たちは梅サワーやぶどうサワーとかを注文する。
料理は、とりあえず、塩とタレのもつ焼きや、もつの煮込みにした。
「ここの店は、東京を中心に、４０店舗以上を構える居酒屋『もりかわ』の１号店なんですよ」
「わたしのうちの駅のそばにも、『もりかわ』がありますよ。
おいしいから、家族でよく利用しています」
心菜がそう言って、信也に微笑む。
心菜は、京王沿線の下高井道駅の近くに住んでいる。
「信也さん、おかげさまで、『クラッシュ・ビート』は、１０月６日の連載開始から、大人気の、
大反響なんですよ。いまでは、毎週木曜日発売の『ミツバ・コミック』の、
看板なんですよ！」
「カンバンですか！あっははは。それは良かった」
そう言って、信也は、興奮気味な葵の言葉に、少し照れながら、笑った。
「しかし、虚構が現実を超えるってことは、よくありますよね。あっははは。
人って、きっと、物語が好きなんですよ。混沌とした解答の見つからないような現実よりも、
うその世界でもいいから、何か、夢見ていたいんでしょうかね。
うその世界でも、それで、幸せを感じたり、元気が出るとしたら、
そんな虚構やうそのような世界でも、それを選んじゃうような気がしますよ。
今回の、アメリカの大統領選挙なんかでも、トランプさんは、
ヒラリーさんよりも、そんな点で、人々を引き付けていたような気がしているんですよ。
トランプさんは、ヒ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除