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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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ホールにしたりとその規模は大きなものである。開催は3日間にわたって行われることとなり、地上にいる者、艦隊にいる者が交代で滞りなく参加できるようになっていた。むろん、フィオーナ艦隊の人員は1日だけパーティーを楽しんだのち、あわただしく出立しなくてはならない運命にあったのだが。

 フィオーナはこのパーティーに先立って、出立艦隊を代表してスピーチをしている。本人は恥ずかしがって、嫌だ嫌だとしきりに言ったが、ラインハルトとイルーナ、ティアナ、それにラインハルト麾下の諸提督、果てはウェリントン伯爵ら貴族連中から「やれやれやれ!」などと突き上げられてしまっては、後に戻れなかった。
 彼女が述べたのは決して長くはなかったけれど、帝国の為というよりもそれぞれの将兵のため、とりわけその家族や大切な人たちのために全員が生きて帰れるように頑張りましょうという内容だった。前途に殺し合いが待ち受けている以上、それは客観的に見れば100%成しえない事であるし、まさに「綺麗事」なのである。だが、彼女はそれを本気で成そうと思っていたし、心からそうしたいと思っていた。そうした純粋な思いを持つ彼女のことは大部分の人間が敬愛することはあっても、バカにしたりけなしたりすることはなかったのだった。
「・・・・ここに、私たちの出立を盛大に祝っていただけることにつきまして心からお礼を申し上げるとともに、皆様のご健康を祈って乾杯をしたいと思います。どうか私たち一人一人が無事にそれぞれの家族の下に戻れますように!」
フィオーナが頬を染めながら最後までスピーチを終えると盛大な拍手が沸き起こった。彼女は深々と一礼すると、次にグラスを掲げて、澄んだ声で言った。
「プロージット!」
『プロージット!』


唱和して皆がグラスを干した瞬間、モーツァルトのピアノ協奏曲の第19番が生演奏で軍楽隊や有志のオーケストラによって演奏され始めた。


干されたグラスは叩き付けられる・・・のではなく、それぞれが引き続き飲み物をたしなむために使われる。全員がそんなことをすれば清掃業者たちがさぞかし大変な思いをするだろうし、何よりも足に破片が刺さる危険性もあるからだ。後は自由行動である。若い男女の士官たちが仲良く肩を並べて歩いたり、料理を食べたり、踊ったりしている光景が随所にみられはじめた。(他方、一般兵士たちは酒保を解放されて、大喜びで酒宴を行っていた。もっとも「酒乱」にならないように屈強な憲兵隊が随所にいたのだったが。)普段軍務に従事している者同士が一体どこをどうして連絡を取り合ったのか。はたから見ている年長者や彼女彼氏なしにしてみれば不思議としか思えない光景であったが、その輪の中にも誘い掛ける相手がいたりして、次第に場は賑やかなものとなっていった。
「フィオーナ、とても良かったよ。」
ミュラーが話
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