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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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。」
アレーナは笑ってごまかした。まさか自分が前世の記憶を持ち、いわゆる「セカンドライフ」を送っているなどとエステルに言えば「お姉様お熱があるのですか?」などと言われるに決まっているからだ。ラインハルトと違ってすんなり受け入れてもらえるとは思っていなかった。
「まぁとにかく、悲しみに浸っているところ申し訳ないけれど、あなたにもいろいろと動いてもらわなくちゃならないのよね。・・・大丈夫?それとももう一日くらい休んでる?」
エステルはかぶりを振った。
「いいえ。大丈夫です。お姉様のお役に立たせてください。」
「よし。」
アレーナはうなずいた。
「あなたにはサビーネと一緒に行動してほしいの。あの子もあの子で大変なのよ。お父様たちがあんなことになってショックを受けない方がどうかしているもの。」
淡々と話しているがその言葉の裏にはサビーネを思いやる気持ちが一杯になっているのをエステルは感じていた。サビーネ様とは一度お会いしたがとても素直そうな方だった。今度の内乱ではさぞご心痛の事だろう。私さえよかったらサビーネ様のおそばにいて色々と慰めて差し上げたい。エステルは自分の身に降りかかった悲しみに浸るよりもサビーネを思う気持ちが徐々に強くなるのを感じていた。
「あなたとサビーネさえよかったら、私の屋敷で暮らす?その方がにぎやかになって私としても嬉しいんだけれどな。」
「はい!」
エステルが頬を染めて深くうなずいて、サビーネ様に会いに行ってきます、と出ていった。
「・・・・よし。」
アレーナは顔つきを改めると、一人自分の部屋にこもって持ってきた携帯端末を開いた。そこに様々な案がのっているがもう一度整理してみようと思ったのだ。

大軍を運用するにあたって不可欠なものは、後方支援体制構築である。補給・修理・補充、そして傷病兵の治療なくして万全を期して敵と対決することなど思いもよらない。
 帝国軍の補給体制については、もっぱら武器弾薬・修理に重点が置かれ、兵士たちへの物資補給や傷病者の手当てに対しては軽視されがちであった。こと傷病者の手当てについては、人工心肺や義手・義足等の技術は発達していたが、内生的な症状などは放置されがちであったのである。
 そこで、アレーナはひそかに自領にフェザーンからの医師・看護師らを招いて病院を立ち上げ、そこで帝国医療に対しての実地教育機関を作ることとしたのだった。この施設は逐次設立されて、10数か所に及び、総合病院として順調な運用を行っている他医療の心構えについても教育している。ここで教育された若き医師・看護師が将来の帝国医療を支える柱となるだろう。
 また、兵士たちの最大の関心事である「食」については、帝国の大手軍需業者の一つである「インゲィルヘイム社」を幾重にもわたる資本介入で事実上購入して傘下に収め、そこで新し
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