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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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石として看過することは、私にはできない・・・・。」
彼女の言葉は他に誰もいない自室の空間に空しく溶けて消えていった。
* * * * *
他方――。
リッテンハイム侯爵の下に敗軍が帰還し合流を果たしていた。バイエルン候エーバルトとブリュッヘル伯爵の残存艦隊である。兵力の4分の3を失って逃げ戻ってきた両将らに対しリッテンハイム侯爵はその罵声の限りを尽くして怒鳴りまくった。自分が急襲を敢行してミュッケンベルガー元帥らに3万余隻の打撃を与え、勝利に浮かれているさ中だったから、なおさらその罵声はひどいものになったのである。が、時はすでに遅かった。既に戦列を整えたラインハルト軍は守備部隊を除いた艦艇総数をカストロプ星系方面から進出させつつあったし、一部を援軍としてブラウンシュヴァイク本隊に差し向けていたのである。
リッテンハイム侯はヤケ酒をあおりながらひとしきり罵りまくったが、やがて憔悴した顔のまま酔いを醒ますと、ともかくも幕僚たちとこの難局を打開すべく協議に入ったのだった。
「なんの!ブラウンシュヴァイクとミュッケンベルガーを討ち果たせばよいのだ。別働艦隊を率いる孺子やメルカッツなど、ブラウンシュヴァイクがいなくなり、我らが帝室を擁し奉れば何一つ恐れる必要などないのだからな!」
そうだ!そのとおり!などと賛同する声が相次いだ。リッテンハイム侯爵側はまだ10万余隻の大艦隊を有しており、ブラウンシュヴァイク公爵ミュッケンベルガー元帥の本隊を痛打したこともあって、その士気は高かった。だが、バイエルン候エーバルトとブリュッヘル伯爵ら主要な将官の意見は少々異なっていた。ラインハルト軍と実際に対峙した彼らは彼とその麾下の諸提督の並々ならぬ力量に接して危機感を覚え始めていたのだ。会議が終わり、例によって戦の前祝いの酒宴が行われ始めても、一部の将官たちはひそひそと三々五々個室にこもって密談を始めていたのだった。
帝都オーディン――。
アレーナは帝都残留組の一員として、この争乱の後の来るべき戦いに向けて準備を進め始めていた。フィオーナから預かったエステル・フォン・グリンメルスハウゼンと共にグリンメルスハウゼン子爵の葬儀を終えた後、アレーナは改めてエステルを呼んだのだった。この後は相続の手続きや戸籍の変更などをしなくてはならないが、それはエステルに代わって彼女の母親等が行うことになっていた。
「エステル。気分どう?落ち着いた?」
「お姉様にはご迷惑をおかけしてばかりでしたわ。」
エステルは、まだ血の気の戻らない青白い顔を俯けた。
「ま、気持ちはわからないでもないかな、私だって肉親を亡くした時は穏やかじゃいられなかったものね。」
「お姉様が?ですが、お姉様のご両親はまだご健在でいらっしゃったはずでは――?」
「あ、ごめんごめん。こっちの話よ
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