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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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しかけてきたので、フィオーナは赤くなった。他の諸提督たちはニヤニヤしながら二人を見守っている。それは悪意からではなくこの半ば公認のカップルをほほえましく見守っていてやろうという思いからだった。
「ミュラーも形無しだな。軍務における卿と今の卿とではだいぶベクトルが違って見えるぞ。」
ルッツがいつになくからかうと、ビッテンフェルトがその横から、
「だいたいフロイレイン・フィオーナ、どうしてこんな奴を選んだのか、小官にはいまだにわかりかねるな。どう見ても男前が優っている奴が他にごろごろといるではないか。」
そう言いながら自分がそうだと言わんばかりに胸を張ったので、居並ぶ提督たちは笑いをこらえるのに苦労していた。
「それは、その・・・・。」
フィオーナが真っ赤になって答えに窮したので、ティアナが助け舟を出しにやってきた。彼女はしきりに人差し指を振りながら、
「そりゃあ決まってるでしょ。ミュラーの誠実さがフィオの琴線に触れたのよ。男は顔だけじゃないわ。中身よ、な・か・み。顔なんて第一ハードルをクリアするだけのものでしかないんだから。深く付き合えるかどうかって、そっから始まることなのよ。ねぇ?」
急に話を振られた女性陣は一斉に顔を見合わせると「ぷっ。」と一斉に噴出して大いに笑った。
「どうしたの?何か変なこと言った?」
不思議そうな顔をするティアナに、
「ティアナ中将がおっしゃる事じゃないでしょうが。」
ルグニカ・ウェーゼル准将が心底おかしそうに笑っている。その横でレイン・フェリルが顔を真っ赤にして笑いをこらえ、バーバラ・フォン・パディントン少将がおかしそうに笑い続け、しまいにはせき込み始めていた。
「あなたのお相手を見れば、どう見ても・・・ううん、何でもないわ。」
エレイン・アストレイア少将が我慢できないようにイルーナに身体をもたせ掛けて笑い続けている。前世におけるアレーナの盟友は北欧神話に出てくるような長い透き通るような金髪を後ろでゆるくまとめたグリーンの美しい瞳を持つ女性である。顔立ちはきりっとしすぎているきらいがあるが、それでいて性格は武人の矜持と朗らかさとを共存させている女性で、イルーナたちも何かと世話になっていたのであった。
「な、何よ何よ何よ!!わ、私がそんな顔だけで選んだわけじゃ――。」
ティアナは不意にブルブルと身を震わせた。ロイエンタールの顔が一瞬どす黒くなったような気がしたからだ。この二人も周りからは半ば公認の形で見られている。ミッターマイヤーにとっては女性を敬遠している僚友がなぜかティアナにだけは心を許しているようなそぶりをしているのを見て不思議に思っていた。もっともロイエンタールが酔っ払った勢いで自身の過去とフロイレイン・ティアナの秘密を話したことで、ある程度納得したのも事実である。両者に共通しているのは「眼」で
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