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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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インハルトのなかにある負のしこりを少しでも取り除いてあげようという気持ちの表れだったのかもしれない。
『ラインハルト、焦る必要はないわ。焦っても何もいいことはない。一個艦隊を指揮することと、今回のように大軍を指揮することは、似たようでいて異なるものなのだから。あなたはそれを今学んでいる最中なのよ。戦線を整理して敵の陣容を検討し、再度攻勢のポイントを見出していきましょう。大丈夫、あなたにならできるわ。』
イルーナの言葉にラインハルトは素直にうなずいた。二人の「姉上」たちがいることで、たとえそばに赤毛の相棒がいなくともラインハルトは平素の心のまま事態に向き合うことができたのである。とはいえ、ラインハルトは一抹の寂しさも覚えていた。カストロプ本星との連絡は敵の妨害電波により、かろうじて連絡が取れるかどうかという状況だったのでキルヒアイスと会話できなかったのである。
ラインハルトらは、戦線を整理して再度敵の陣容を精査し、先日までの戦闘データを収集した結果、バイエルン候エーバルトの直属艦隊4万隻のすべてが候の麾下にある正規艦隊である事実を掌握した。他方、ブリュッヘル軍は貴族連中が中心となって寄り集まっている部隊である。
「つぶすには惜しい部隊だ。どうにかしてこちらに引き入れることはできないものか。」
ラインハルトは思案した。難敵をごっそりと味方にできれば、これ以上のうまみはない。考えた結果彼が導き出した回答は、
「ブリュッヘルの部隊とエーバルトの部隊を通信を含めて一切を分断し、双方に相互不信の種をまく。双方が弱体化したところを勧告を送るなり撃破するなりすればいい。」
というものであった。何も敵をまとめて撃破する必要性はないのだ。各個撃破できればそれに越したことはない。ラインハルトは麾下の諸提督を召集してこの方針を説明し、賛同を得た。何しろ数日間対峙して活路が見いだせないのだ。となれば全く異なる方法で攻め寄せるほかない。
一日後、戦線を整理して部隊を再編したラインハルト軍10万余隻は機動的速度をもってブリュッヘル、エーバルト両軍に襲い掛かった。彼らはある意図した運動にそって艦隊をスライドさせ、徐々にであるが両部隊の間の密度を低下させることに成功していた。
「全艦突撃!!双方の連絡線を遮断して孤立させてやる役目は、私たちが担うんだから!!」
ティアナが絶妙なタイミングで麾下の高速艦隊1万隻を率いて前進し、集中砲火と機動攻撃によって間にある部隊を瞬く間に殲滅させ、くさびを打ち込んだ。それは同時にブリュッヘル、エーバルト両軍に対しての総攻撃の合図でもあった。ラインハルト軍直属艦隊の麾下提督たちは艦首を並べて一斉にエーバルト軍に襲い掛かり、貴族連中はブリュッヘル軍に押し寄せた。イルーナ艦隊は貴族連中の援護に回り、彼らから崩壊する隙を作らせないよう
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