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歌集「春雪花」
284

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 心荒み

  恋も叶わぬ

    わが道の

 虚しきけふを

     独り眺むる



 儘ならぬ日々に苛立ち…心は疲弊して言葉もない…。

 叶わぬと知りつつ想いは募り…そんな自分に憤りさえする…。

 何故このような人生を送らねばならないのか…そんな虚しいだけの毎日を、私は一人で見続けなくてはならないとは…。



 雨落つる

  笑みも絶えにし

   冬里の

 影もなきにし

     枯れし山波



 冷たい雨のそぼ降る空…笑顔さえ凍りつく…。

 そんな寂しき冬の里…彼がいなくなって二度目の冬を迎えなくてはならない…。

 一人侘しく…何故ここへ在らねばならないのか…。罪故と言うならば…いっそ逝かせてくれれば良いものを…。

 美しかった山並みは枯れ果て…寒き灰色の空は、ただ淋しさと哀しみを映すばかり…。


 生きるとは…かくも無情なものだっただろうか…。





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