精神の奥底
63 怪物の品格 〜後編〜
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なってる。“現象”そのものだ。目にも見えないし、触れることもできない。そして倒すこともできない」
2人はスバルを見逃し、何食わぬ顔で図書館を跡にした。
すぐ近くの自販機でペットボトルのミネラルウォーターで買い、例の薬を飲む。
そしてミコトを助手席に乗せると、自身もGT-Rに乗り込み、発進させた。
「でも邪魔してくるリスクもゼロじゃない。それでも生かしてるってことは、近いうちにまた地球に危機が来るってこと?」
「恐らくな。ディーラーが何か動いていることも、多分それ絡みだろう。だが君が嫌いなパターン通り、その危機の正体の手の内が全く分からない」
「じゃあ、ロックマンに任せましょ」
「そういうことだ。いくら訓練しようとユナイトカードを使った電波変換でのパワーアップには限度がある。それに現段階でユナイトカードのファームウェアアップデートは早くて約8ヶ月後、危機はいつ来るか分からないしな」
安食はロックマンのことも、スターダストのことも少し焦りを感じていた。
特にスターダストに関しては進化が目覚ましい。
まだ一度しか、戦ったことは無いが、話を聞く限りでは確実にパワーアップを遂げている。
ユナイトカードを使った電波変換によって生まれる電波人間が進化するには、ユナイトカード自体のアップグレードが必要不可欠だ。
これは生物と機械の違いにも等しい。
生物は経験や訓練によって自己進化する能力を備えているが、機械は経験や訓練で自己進化することはない。
進化するには人間の手が加えられることが必要となる。
仮に人工知能といえども最終的には決められた法則や枠を飛び出すことはできない。
恐らくこのまま泥試合を続けていけば、間違いなくスターダストの進化についていくことができなくなる。
ユナイトカードのアップグレードが先か、スターダストの進化が自分を上回るのが先か、冷静な仮面の下で唇を噛む。
今回の計画が成功しようとも、致命的な障害となる前に近いうちに潰しに行かねばならないということを再確認する。
そして、それはミコトも同じだった。
自分がこうして相手の手の内を知ってからでないと動く気にならないのは、ユナイトカードの進化が遅いためでもあったからだ。
もっと力を得られる方法を常に考えていた。
「確かユナイトカードの電波人間より、電波体と変身した電波人間の方が進化が速いらしいね。それにスターフォースって言ったっけ?ロックマン、思わぬ隠し玉があるようだし」
「あぁ。ペガサスとドラゴン…そして恐らくはレオ」
「それって世界の通信を支えているサテライトでしょ?そこからパワーをもらっているってこと?あのサテライトって軍事目的だったわけ?」
「まさか!それだったら、それが本職の私たちが知らないわけがない。確か世間的には人工知能プログラムによ
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