精神の奥底
62 怪物の品格 〜前編〜
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へと誘う雪山さながらの光景へと変貌を遂げた。
周囲の草木の葉や花びらは宙へと舞い上がり、吹雪とともに吹き荒れる。
「うぅぅ…目くらましか…!?」
それはものの数秒で収まったものの、そこにロックマンはいなかった。
ナイトメア・テイピアは周囲を見渡した。
神経を研ぎ澄まし、インビジブルや高速移動、全ての可能性を疑う。
だがその解答は上空から降ってきた。
「何処だ!?」
「ここだ!!!」
ナイトメア・テイピアは飛来したロックマンによって受けた攻撃により、バランスを崩して倒れた。
その光景はナイトメア・テイピアの巨体も相まって、かなりの迫力だった。
それを確認する前にロックマンは軽く旋回すると地面に着地した。
「…変わった?」
ナイトメア・テイピアの前に再び立ったロックマンの姿は先程までと違っていた。
あまりの変化に目を疑う程だ。
そして同時にそのあまりの美しさに息を呑んだ。
全体的にウォーロックの狼や猛犬を模したようなスタイルからユニコーンかペガサスを模したようなスタイルに、体色も吹雪を思わせるアイスブルーへと変貌を遂げている。
何より、背中からは美しい翼が生え、飛行能力を獲得していた。
それは地球の通信を支える3つのサテライトの管理者から与えられた能力、『スターフォース』の1つである『アイスペガサス』だった。
「姿が変わったくらいで…」
「時間が無い…急がなきゃ…」
ナイトメア・テイピアはスターダストとの戦闘を思い出して警戒していた。
スターダストは戦闘の最中、いきなり姿を変えて暴走を初めた。
ほんの数日前の出来事故に鮮明に脳裏を過る。
同時にロックマンは火が燃え盛る図書館の方に意識が向いていた。
この騒ぎに気づいた近隣住民が通報でもすれば、消防署や警察署の人間がすぐにでもやってくる。
そうなればこの常軌を逸した戦いに巻き込みかねない。
下手をすればナイトメア・テイピアの人質になってしまう可能性もある。
幸いにも人の出入りが少ない場所のせいか、まだサイレンの音は聞こえないが、煙が上がっていればそろそろ誰かが気づいてしまう。
ロックマンは出方を伺うナイトメア・テイピアとの膠着状態を打ち破り、動き出した。
『スターフォースビッグバン!マジシャンズフリーズ!!!』
「なに!?」
ロックマンは飛び上がると、図書館を中心にその一帯を巨大な魔法陣で包み込み、一瞬で周囲の熱を奪った。
図書館を焼き尽くす勢いで広がっていた炎は消えるのを通り越して凍りつく。
「やった…か…?うっ…」
『おい、スバル!?』
その冷気はナイトメア・テイピアの巨体をも飲み込み、一帯を雪山さながらの銀世界へと変貌させる。
現状のロックマンが持ち得る最強の攻撃の1つだった。
その
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