精神の奥底
62 怪物の品格 〜前編〜
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わしながら、FM星人とは違う未知なる敵の正体に切り込む。
「今更聞いてどうする?」
「?…どういう意味だ?」
拳を体全体で受け止めた膠着状態の中でナイトメア・テイピアは不敵な笑みを浮かべた。
次に放たれる言葉が突き刺さる前に既にロックマンの背筋には悪寒が走っている。
戦闘中にも関わらず、最悪の想像が頭を駆け巡り、一瞬の隙が生まれた。
ナイトメア・テイピアはそれを見逃さない。
ロックマンはとっさに防御態勢を取るが、10メートル程後方へと押しやられた。
「クッ…」
「あと数時間でこの街が終わるってことだよ!!」
想像は言葉のニュアンスの違いこそあれ、ほぼ的中した。
まだ経済や政治のことに関して知識は少ないロックマン=スバルでも相手のやろうとしていることの重大さは分かる。
FM星人の地球侵略とは規模が違うとはいえ、あれはまだ地球全体に知れ渡る前に対処できたからこそ、今の平和な生活がある。
だが今やろうとしていることは、既に計画は始まっているのだ。
「もう気づいてるだろ?我々が行ったインターネットシステムのダウン、これでニホンには混乱が蔓延した。既に世界の一部にも広がり始めている」
『やっぱりお前らの仕業だったか!』
「あぁ。ここでちょっと手を加えてやれば、この混乱は世界中に広がる。文字通り爆発的にな!」
デンサンシティは近年のニホンの発展の中心、外資系の企業も多く参入し、世界のIT文明を牽引している。
しかし既にインターネットシステムがダウンし、ニホンは1970年代にでも逆戻りしたのではないかと錯覚するような様相を呈しているのだ。
そんな状況で更に追い打ちをかけるような事件がこの街で発生すれば、ニホンだけでなく世界中にパニックが広がることは避けられない。
しかし今、目の前に立ちふさがっているナイトメア・テイピアは強敵だ。
これまでのこちらの攻撃は不意打ちの一撃以外は通用していないに等しい。
「さぁ、もう後が無いぞ?」
ナイトメア・テイピアはシャドーボクシングで威嚇しながら、轟々と燃え盛る図書館を背に、ロックマンに向かって一歩、また一歩と近寄ってくる。
誰から見ても力の差は歴然だ。
しかしロックマンには“切り札”があった。
「まだ…僕にはこれがある!!」
ロックマンは勢い良く切り札を取り出して、ナイトメア・テイピアに見せつける。
そして左腕に装備されているウォーロックをトランサーに戻すと、トランサーのカードスロットにそれをインサートした。
「何だそれは!?」
『スターブレイク!ロックマン・アイスペガサス!!』
次の瞬間、吹雪が吹き荒れ、ロックマンに襲い掛かったナイトメア・テイピアの行く手を遮る。
先程まで真夏の庭園だったというのに、一瞬で近づく者を遭難
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