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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
62 怪物の品格 〜前編〜
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「うわぁぁぁ!!」

少年の叫びとともに、ガラスが砕け散った。
閑静な住宅街を象徴するかのような西洋建築の図書館は無益な争いから飛び火した戦火によって、文字通り燃え盛っている。
既に図書室には完全に火が回り、勢力を拡大している。
まだ原型は保っているものの崩れるのは時間の問題だった。
その光景を一言で言うならば、『地獄』だった。

「クッ…」
『スバル!しっかりしやがれ!』

ロックマンはその中から窓を突き破って飛び出してきたのだ。
全身の至る部分が焦げており、その熱の凄まじさを物語っている。
電波変換し、全身をウォーロックと融合することで強化された肉体とそれによって生成された電波スーツを身に纏ってもこの有様だ。
もう常人なら到底生きていられる状態ではない。
この状況に一般人が巻き込まれていないのが唯一の救いだった。

「アイツ…こっちの攻撃が効いてないのか…」
『あぁ…だが、このまま焼け死んでくれる…わけも無いか』

ロックマンの後を追うように、地獄からナイトメア・テイピアがその巨体を現した。
ロックマン同様に全身のスーツが焦げて、鼻を突く煙を放つ部分が見られるが、火事によるダメージを受けた様子は皆無だ。
不死身にも思えるその姿にロックマンは恐怖を覚えた。

「一瞬ヤバイかと思ったけど、大したことないな」
「バケモノ…」

「バケモノ…だと?」

しかしロックマンは次の瞬間には違和感を覚えた。
ナイトメア・テイピアが一瞬、言葉に詰まった。

「オレがバケモノに見えるか?」
「…少なくとも普通の人間じゃないだろ!」
「オレは普通の人間だ。お前のように電波体に精神を乗っ取られない特異体質というわけでもない」
『普通の人間が電波体の力も使わない単独変身で、これほどまでの力を発揮できるはずがねぇ!』
「ハッ!宇宙の何処から来たかも分からないバケモノとそれの力を弄ぶバケモノがよく言う」
「なんだと!?」

「バケモノ」という単語に過剰に反応し、今まで精神を(つつ)く発言でこちらの冷静さを欠かせようとするナイトメア・テイピアと初めて会話が成立した気がした。
電波変換する前の安食の状態から人間らしさというものをまるで感じることができなかった。
それが今のことで自分と同じ理性を持った人間であることを理解できた。
しかしナイトメア・テイピアは攻撃を止めない。
その鋭い拳の嵐がロックマンを襲う。

「お前たちの何なんだ!?目的は何だ!?」

ナイトメア・テイピアからあまりに人間らしさを感じることができず、もしかしたら目的など無く、無差別に行動しているのかとも思った。
だが理性を持っており、会話が成立する相手である以上、何らかの目的を持って行動しているはずだ。
ロックマンは拳を交
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