52部分:第六話 恐怖軍団その三
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第六話 恐怖軍団その三
「悪いがな。もうわかっていたんだよ」
「わかっていた!?馬鹿な」
「馬鹿なじゃねえんだよ。言っただろ、黄金聖闘士だってな」
背中合わせになっている。そこから左に顔を向けてリィナを見ている。表情には相変わらずの余裕があった。
「伯爵だか何だか知らねえけれどな。そんな前座みてえな技でこのデスマスクは倒せねえぞ」
「くっ、リィナ!」
「気をつけろ!」
サムソンとアトロムが同時にリィナに叫ぶ。
「来るぞ!」
「一撃が!」
「死にな」
振り向きざまに左手から横に手刀を放つ。しかしリィナは姿を消した。それでデスマスクの動きをかわしたのだった。
「くっ!」
「まあ今のはかわせて当たり前だな」
今の手刀をかわせても動じてはいなかった。
「仮にも狂闘士ならな」
「だが。何という速さと威力だ」
「やはり黄金聖闘士。尋常なものではない」
「これが黄金聖闘士」
リィナはデスマスクの正面に姿を現わした。ダメージこそ受けてはいないがその顔には冷や汗が流れている。
「私も。油断できません」
「油断?油断しても同じなんだよ」
首を鳴らすようにして動かしながらリィナに告げる。
「御前等程度じゃ幾らいても俺は倒せねえんだよ」
「おのれ、言わせておけば!」
「やはりここで我々が!」
「確かに。ここは」
ユニがここで言うのだった。
「ユニ様」
「それではここは」
「リィナ、私も参加しましょう」
「ユニ様、それは」
「私だけではありません」
ユニはさらにリィナに言う。
「サムソン、ロファール、アトロム」
「はっ」
「ではユニ様」
「そうです。やはりここは」
ユニは真剣だった。最早これしかない、追い詰められたものがその顔にあった。
「五人で。かからなければ」
「最初からそうしておけばいいんだよ」
今度は右手を動かして鳴らしている。
「じゃあさっさと来な。早くな」
「キャンサー、その実力はやはり見事です」
ユニは四人を後ろに従えながらデスマスクに言う。
「だからこそ。我等は」
「弱い奴は数なきゃ勝てないってな」
「何っ!?」
「言っておくぜ。御前等が何人いようが俺には勝てないんだよ」
傲然とした態度で言い切ってきた。
「黄金聖闘士と御前等じゃそこまで実力差があるということだよ。それわかってかかって来るんだろうな」
「貴様!」
「まだ言うか!」
またサムソンとアトロムが激昂する。しかしデスマスクはそれを見てもやはり態度を変えない。
「だから何度でも言ってやるって言ってるだろ。御前等馬鹿か?」
「くっ、最早容赦はならん」
「だったら来いよ。俺は手加減は一切しねえぜ」
不敵な笑みのその周りに。青い燐が起こっていく。それは粉のようだがそ
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