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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
519部分:第七十三話 アイオロス合流その五
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第七十三話 アイオロス合流その五

「我が技受けよ!」
 カムイだった。右手を上に、左手を下にしてまるで鰐の顎の如き形にしての技だった。
「クロコダイルタスク!」
 両手で挟んでの攻撃だった。まさに鰐の顎であった。
「最後は私が」
 レネは右手に持つランスを前に突き出した。それと共に叫んだ。
「ファイナルランス!」
 四人の攻撃が今まさにアイオロスに迫る。彼等はそれで勝利を確信した。
「これで!」
「如何にサジタリアスとて」
「終わりだ!」
「間違いないわ!」
 まさに確信であった。しかしであった。
 アイオロスはそこから消えた。技だけが空しく通り過ぎたのだった。
「何っ、我等の技を」
「最初で見切っただと!?」
「まさか」
「見えたのだ」
 アイオロスは空の上にいた。彼等の頭上に浮かんでいたのだった。
「その攻撃がだ」
「馬鹿な、我等の攻撃が」
「見えていただと!?」
「最初の一撃で」
「そうだ、見えていた」
 こう驚きを隠せない彼等に対して告げるのだった。
「既にだ」
「何故だ、最初で」
「何故見えていたというのだ」
 彼等にとってはそのことがまず信じられないことだった。それで問わずにはいられなかった。そしてアイオロスはその問いに対して答えてきたのだった。
「それはだ」
「そうだ、それはだ」
「何故だ!?」
「何故わかったのだ」
「予期できたのだ」
 だからだというのであった。
「攻撃を繰り出す前にだ」
「おのれ、それもセブンセンシズか」
「その力でか」
「見えていたというのね」
「セブンセンシズはあらゆる力となる」
 黄金聖闘士を象徴するその力の一つがというのである。
「だからこそだ」
「技を既に予期できた」
「それによって」
「その通りだ。そしてだ」
 アイオロスはさらに言ってきたのだった。
「もう一つ予期したものがある」
「まさかそれは」
「我等の」
「私の勝利だ」
 彼にとってはそうなることだった。
「それがだ。今それを見せよう」
「くっ、来るというのか」
「今ここで」
「我等の頭上に」
「受けるがいい。このサジタリアスのアイオロスの技」
 言いながらだった。その小宇宙を溜めて。その技を放った。
「ケイロンズライトインパルス!」
 渾身の力で左腕から拳を放った。それは無数の光となって四人の狂闘士達を襲った。
 白い爆発が起こり彼等を吹き飛ばした。それで全てが終わった。
「くっ、噂通りだ」
「黄金聖闘士の中でも最強の一人」
「それに相応しい力だ」
「まさに」
 四人は戦衣を粉々にされ荒野に倒れ伏しながら述べた。
「それだけの強さがある」
「我等をこうまで容易に倒すとは・・・・・・」
「恐ろしい男・・・・・・」
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