第三十七話 三年生なのでその十四
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「相変わらず変な子ね」
「そうですか」
「そうよ、何でそんなこと言うのか」
どうにもでした。
「わからないわ」
「そうですか」
「ええ、かなりね」
「まあそれはおいおい」
「おいおい?」
「わかってもらえたらいいなって思ってます」
相変わらずにこにことして私に言ってきます。
「宜しくお願いします」
「何が宜しくなの?」
本当に訳のわからないことを言う子です、そうとしか思えません。
「変なことばかり言って」
「まあまあ、それで先輩これから何処に行かれるんですか?」
「図書館まで行くつもりなの」
丁度そこで阿波野君と会ったんです、今私達は天理高校の本棟の裏手のグラウンドの前を歩いています。すぐそこに図書館の棟があります。
「あそこで新聞を見ようって思って」
「新聞ですか」
「そう、今朝ニュースを聞きそびれて」
「阪神は負けましたよ」
「えっ、そうなの」
そのニュースにです、私は思わずうわ、というお顔になってしまいました。
「それは残念ね」
「広島相手に」
「広島に弱いわね、今年も」
このことが不思議です、どうして阪神は広島に弱いのでしょうか。それも毎年毎年。
「それがわからないわ」
「他のチームには勝てるのに」
「そうなのよね」
「まあ僕は応援してるチーム違いますけれど」
「何処なの?」
「ソフトバンクです」
このチームだとです、阿波野君は私に少し真顔になって答えました。
「あのチームです」
「ソフトバンクなの」
「はい、そうです」
「そうなのね」
「関西じゃ少ないですよね」
「ええ、あまり聞かないわね」
実際にです。
「昔は大阪のチームだったのよね」
「南海ホークスだったんですよね」
「それでもね、関西にはね」
ホークスファンの人はといいますと。
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