第十一章
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夜のベルリンの空を包んだ、ビーチの上も川の上もだった。
薔薇の花びら達が舞う中に覆われた、それは騎士の周りもだった。
そしてそこにだ、さらにだった。
沙耶香は青薔薇を出した、それは幾つも手裏剣の様に騎士達に対して投げた。その中には一輪の白薔薇もあり白薔薇は騎士の心臓に向かっていた。
だが青薔薇達も白薔薇もだった。騎士は盾を素早く動かし弾き返した。そのうえで沙耶香に対して言った。
「白薔薇の下にもう一輪あったな」
「黒薔薇にも気付いていたのね」
「周りの赤薔薇と多く投げた青薔薇は目眩し、そして白薔薇もだな」
「そうよ、本命じゃなかったわ」
沙耶香自身もこのことを認める。
「本命は黒薔薇よ」
「白薔薇の影に隠れていたな」
「それに気付いていたからこそ」
「ランスで防ぎはしなかった」
先程の様にというのだ。
「盾で防いだのだ」
「衝撃波だけではないということね」
「盾を使うことは知っていたと思うが」
「ええ、けれど私の予想以上よ」
騎士の盾の使い方、それはというのだ。
「見事なものね」
「薔薇まで使うとはな」
「こうしたものも使えるわよ」
今度は分身した、沙耶香が一人から二人、二人から三人となり四人五人と増えていき。
八人となった、その沙耶香達がだ。
それぞれ黒い炎、薔薇を放つ者もいれば炎の鞭に氷の剣、雷も使い。
鎌ィ足を出す者もいれば漆黒の瘴気を光線の様に放つ者もいる。八人の沙耶香達は騎士を上空から囲んで攻撃をするが。
騎士はその全ての攻撃にだ、何と。
ランスを縦横に振るい彼の周りに巨大な嵐を起こしあらゆる攻撃を吸収し弾き返す。それと共にだった。
嵐の中からだ、無数の衝撃波を放って沙耶香達を攻撃してきた。その衝撃波達に対して。
沙耶香達は右手を一閃させそれぞれの前に黒い透明な障壁を出してそれで防いだ。障壁は衝撃波達を防ぐが。
次第にヒビが入り割れていく、それを見てだった。
沙耶香達は影になり消えた、そこから嵐を収めた騎士の前に一人で姿を表した。そのうえで騎士に対して言った。
「あれを全て防ぐとはね」
「御主もよく防いだ」
「危ないところだったわ」
沙耶香は今は微笑まずに答えた。
「私でもね」
「鍛錬は欠かしたことがなかった」
騎士が重い声で沙耶香に述べた。
「生きている間、そして墓にいる時もだ」
「その時もというのだ」
「魂はだ」
その中でというのだ。
「鍛錬を続けていた」
「そうだったのね」
「そして蘇ると新たな力を得ていたのでな」
「今それを使ってなのね」
「そなたと戦っているが」
「これだけの力を発揮しているのね」
「左様、ではさらにだ」
騎士は構えを取りなおして沙耶香に再び言った。
「御主との戦い
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