第三十二話 長崎での日常その十二
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「そうでしたけれど」
「多分聞いた通りよ」
「そうですか」
「暴力もセクハラもパワハラもね」
「何でもありの人なんですね」
「組合とかの偉い人にはへこへこしてね」
「生徒には、ですね」
優花はその聞いた話を問うた。
「そういうことをするんですね」
「そうよ、そしてね」
「そうしたことばかりしてもですね」
「学校の先生の世界は酷いものでね」
それでとだ、副所長は眉を曇らせて携帯の向こうの優花に話した。
「暴力もね」
「それを振るってもですね」
「何もお咎めなしなのよ」
「そうなんですね」
「何をしてもなのよ」
それこそというのだ。
「組合が揉み消すから」
「労働組合ですか」
「学校の先生や職員のね」
日教組、日本教職員組合である。公務員である筈の公立学校の教師達で構成されている組織であるがその教育の理想は北朝鮮のそれであった。
「ここはとんでもない組織なのよ」
「そうした先生を守る」
「そうよ、先生だけが大事で」
そしてというのだ。
「生徒はね」
「大事じゃないんですね」
「口では色々言うけれど」
「生徒が大事って」
「教え子を戦場に送るな、とかね」
日教組の決まり文句だ、つまり平和主義というのだ。
「けれど考えてみて」
「考えて、ですか」
「日教組の教育の理想は北朝鮮だったのよ」
このことを優花に言うのだった。
「あそこはどんな国かしら」
「独裁国家で」
北朝鮮について問われてだ、優花は自身の知識から答えた。
「異常に軍隊が大きい」
「そうした国よね」
「核兵器とかミサイルも開発して」
「軍隊が異常に強い国ね」
「先軍政治ですよね」
「完全に軍国主義よ」
北朝鮮こそがというのだ。
「まさにね」
「そうですよね」
「教育も凄いのよ」
肝心のそれもというのだ。
「戦前の日本なんか可愛い位のね」
「軍国主義の、ですか」
「しかも個人崇拝よ」
「あの将軍様の」
「尚且つ完璧な階級社会よ」
共産主義であり懐旧は存在しない筈だ、だがそんなことが通用する国であるかというとそんなことは絶対にないのだ。
「そんな国を理想としてたら、わかるわね」
「実は生徒も」
「日教組は共産主義が好きだけれど」
このことからも言う副所長だった。
「共産主義国家は徴兵制だったわよ」
「どの国もですか」
「ええ、軍隊の力が強かったわ」
ソ連を見ればわかることだ、尚日本の左翼は長い間この国を『平和勢力』としていた。この国が満州でしたことは隠して屁理屈を加えて擁護したうえで。
「とてもね」
「何かおかしいですね」
「そうよ、日教組はおかしいのよ」
「そうした組織ですか」
「公務員は組合を持てないのよ」
このことからも指摘し
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